マダケの部分開花②

  • 神戸の望月
  • 2019/05/11 (Sat) 17:39:08
先日紹介させて頂いた、部分開花したマダケの群落から、500mほど離れた場所にある駐車場でマダケが部分開花していました。
その駐車場は、駐車スペースが5台で舗装されています。
南側にウバメガシの生垣があって、わずかに土が露出した所にノゲシ、キレハノブドウ等とマダケが混生しています。
定期的に刈られており、マダケも矮生化して、大きいものでも稈高が1mほどです。

Re: マダケの部分開花②

  • 神戸の望月
  • 2019/05/11 (Sat) 17:42:12
上の画像で示した茶色の四角の辺りを、右側から寄って写したのがこの画像です。
写っているほとんど全ての枝で開花しています。

Re: マダケの部分開花②

  • 神戸の望月
  • 2019/05/11 (Sat) 17:45:48
最初の画像の上側に道路が写っています。
その道路から駐車場の方を見ると、石が積んである所があり、その隙間からもマダケが枝を伸ばし、その枝でも開花していました。
それを写したのがこの画像です。

Re: マダケの部分開花②

  • 神戸の望月
  • 2019/05/11 (Sat) 17:50:07
この群落で稈の数は、数十位で、ほとんど全てが開花していましたが、何本かは未開花でした。
この画像は、未開花稈を写しています。
分枝せず、単稈です。
肩毛が顕著に開出しています。

Re: マダケの部分開花②

  • 神戸の望月
  • 2019/05/11 (Sat) 17:52:49
ウバメガシの生垣の中に、枝を伸ばし開花しているものもありました。

(続く)

Re: マダケの部分開花②

  • 神戸の望月
  • 2019/05/13 (Mon) 17:43:12
この群落のマダケの特徴は、節の所で稈が通直でなく、やや折れたような形になり、稈全体がジグザグした形状をしているものが多いことです。
あたかもサルトリイバラやムツオレダケ(六折竹:兵庫県氷上郡にあるマダケの品種)のような形です。
今までタケノコから枝葉を展開していくマダケを観察したことがないので、このジグザグした稈の形状が、マダケでは一般的なことなのか、定期的な剪定と言う環境圧がもたらした結果なのか、今の所は分かりません。

Re: マダケの部分開花②

  • 神戸の望月
  • 2019/05/13 (Mon) 17:54:12
マダケは通常、1節から2本枝を出します。
ところがこの群落のマダケは、1節から3本の枝を出しているものがいくつかあります。
この画像は、1節から3本の枝を出し、さらに同じ節に未発達の腋芽が2つあるさまを写しています。
定期的に剪定されるような状況にあれば、短い節間で多くの枝が出ることは、樹木ではよくある現象です。
このマダケの1節3枝2腋芽も、環境圧による異常な挙動と考えられます。

Re: マダケの部分開花②

  • 神戸の望月
  • 2019/05/13 (Mon) 17:57:35
マダケの栄養器官の最大の特徴の一つは、稈から出る枝の第一節間が中空であることです。
この画像は、そのことを確かめるために写したものです。
写っている節からは3本の枝が出ています。

Re: マダケの部分開花②

  • 神戸の望月
  • 2019/05/13 (Mon) 18:05:06
そしてマダケでは、節間に芽溝があります。
私が見た時点では、芽溝が明瞭に発達したものは少なかったです。
稈の片側が平らになって、その反対側が丸くなっている、つまり、稈の断面が板かまぼこのような形のものが多く見られました。
この画像は、芽溝がはっきりと分かる稈を写しています。

Re: マダケの部分開花②

  • 神戸の望月
  • 2019/05/18 (Sat) 10:46:13
お詫びを申し上げて、訂正します。
ここで取り上げた植物は、マダケではなく、ホテイチクでした。
十分に特徴を観察せず、浅はかにも、マダケとしてしまい申し訳ありませんでした。
黒崎先生にも、標本を見て頂き、ホテイチクでお墨付きを頂きました。

ホテイチクの最大の特徴は、稈基部付近の数節で、節の下部1~2㎝が顕著に膨らむことです。
その部分を布袋さんのおなかに例え、命名されています。
この画像は、ウバメガシの生垣の中で見つかった、その特徴がよく出たホテイチクの稈を写しています。

Re: マダケの部分開花②

  • 神戸の望月
  • 2019/05/18 (Sat) 10:50:13
上から7番目の、1節3枝2未発達腋芽の画像でも、節下部の膨らみが見て取れます。
この画像でも、やはり節下部の膨らみが分かります。
稈の中部や上部の節の下部にも、こうした膨らみがあるのがホテイチクの特徴です。

Re: マダケの部分開花②

  • 神戸の望月
  • 2019/05/18 (Sat) 10:52:47
葉裏に微毛を密生、あるいは散生することもマダケにはないホテイチクの特徴です。
この画像はホテイチクの葉裏を写しています。

Re: マダケの部分開花②

  • 神戸の望月
  • 2019/05/18 (Sat) 10:54:11
また稈に対して枝が鋭角に出ることもホテイチクの特徴です。

Re: マダケの部分開花②

  • 神戸の望月
  • 2019/05/18 (Sat) 10:59:34
稈から出る枝の第一節間は、私が切ったものは全て中空でしたが、中実のこともあるようです。(『タケ・ササ総図典』内村悦三 2014)
外穎の長さは18㎜、脈は9~11あって平滑、格子目は目立たないと言う花の特徴は、10倍ルーペで確認出来ます。
画像はホテイチクの花です。

Re: マダケの部分開花②

  • 神戸の望月
  • 2019/05/18 (Sat) 11:03:04
現在、京都市洛西竹林公園で、キンメイチクの花が部分開花をしています。
キンメイチクはマダケの変種で、芽溝部のみ緑色をしていて、他の稈や枝の表皮は黄金色になる非常に美しいタケです。

Re: マダケの部分開花②

  • 神戸の望月
  • 2019/05/18 (Sat) 11:05:46
この画像は、キンメイチクの花です。
令和改元になった5月に、3種のタケの花を見ることが出来た幸運に感謝感謝です。

Re: マダケの部分開花②

  • 神戸の望月
  • 2019/05/18 (Sat) 21:33:58
キンメイチクの画像を間違えていました。
申し訳ありません。
この2つ上の画像は、ギンメイチクでした。
銀明竹は、マダケの変種で、キンメイチク(金明竹)とは逆に、芽溝部が黄金色で、他の稈の表面は緑色になっています。
金明竹と配色が逆で銀明竹とは理に適った命名ではありませんが、どちらも美しい竹です。
この画像が、京都市洛西竹林公園で開花したキンメイチクです。

Re: マダケの部分開花②

  • 神戸の望月
  • 2019/05/18 (Sat) 21:39:50
ついでに洛西竹林公園にある、金明孟宗(キンメイモウソウ)と銀明孟宗(ギンメイモウソウ)も紹介させて頂きます。
やはり芽溝部が緑で他が黄金色のものが金明、芽溝部が黄金色で他が緑のものが銀明です。
この画像は、キンメイモウソウです。

Re: マダケの部分開花②

  • 神戸の望月
  • 2019/05/18 (Sat) 21:42:27
この画像は、芽溝部以外にも緑色のすじがあるキンメイモウソウのバリエーションです。

Re: マダケの部分開花②

  • 神戸の望月
  • 2019/05/18 (Sat) 21:54:34
この画像はタテジマモウソウと呼ばれることもある、キンメイでもあり、ギンメイでもあるようなものです。(純粋なギンメイモウソウは洛西竹林公園では、私は未確認です。)

かぐや姫は、竹の光る所を切られて出てきます。
中国の昔にも、金明や銀明があって、それを見たことがある人が、その筋書きを思いついたのではないでしょうか。
私のイメージでは、金明よりも銀明の、それも竹林の周縁部分ではなくやや薄暗い中ほどにある、年数の若い稈の輝くばかりの黄金色の芽溝部が作者にインスピレーションを与えたような気がします。
(投稿前に、内容をプレビューして確認できます)