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神戸市北区の丸山川流域のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/14 (Sat) 08:59:03
神戸市北区の西丸山と東丸山の間を流れる丸山川流域のサイヨウザサを紹介します。
およそ数千株程度の規模の群落です。
11月下旬の観察なので、各器官の毛が脱落していることを前提に、慎重に同定しました。
アリマコスズ イナコスズ(フタタビコスズ)、サイヨウザサ(セッツコスズ)、ケナシカシダザサ(コウベコスズ)のコスズ四姉妹の比較は、来年の展開期に改めて観察し直してから行いたいと考えていますが、葉の細さに着目すると、種内変異を考慮しても、サイヨウザサはケナシカシダザサに、アリマコスズはイナコスズによく似ています。

画像は丸山川のすぐ側にあるサイヨウザサの群落です。

Re: 神戸市北区の丸山川流域のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/14 (Sat) 09:00:39
わりと緑色をよく保っている葉もありました。

Re: 神戸市北区の丸山川流域のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/14 (Sat) 09:03:39
前年の枯れた葉が目立つのは、草刈りなどの人為的な攪乱が少なくとも数年はないことを示しています。

Re: 神戸市北区の丸山川流域のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/14 (Sat) 09:12:43
この群落では、稈高30㎝前後の株が多く見られました。
この1年生の稈もそれくらいの大きさです。
稈鞘の長さが節間の3分の2以上ほどはあり、節上部の膨らみが目立たない所にスズザサ属らしい特徴が出ています。
表面に光沢があり、ぱりっとした張りもある葉は枝先に2~3枚つき、その長さは15~18㎝、幅は2.5~3㎝くらいのものを多く確認しました。

Re: 神戸市北区の丸山川流域のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/14 (Sat) 09:15:23
この標本は稈の中部と上部で2本の本年枝を移譲的に出しています。

Re: 神戸市北区の丸山川流域のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/14 (Sat) 09:23:53
上の画像の標本の稈基部には目立つ大きさになった冬芽が出来ています。
その拡大画像がこれです。
すでに外鞘的に稈鞘を突き破っています。
この冬芽が成長して、枝が形成されていく前のこの段階で、外鞘的に分枝することが決まっていることになります。
同様の現象は今までいくつか紹介しましたが、注目に値することだと思います。
例外的と言って良い外鞘的分枝様式が見られる原因の一つです。

Re: 神戸市北区の丸山川流域のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/14 (Sat) 23:01:42
「兵庫県立人と自然の博物館」(通称「人博」)の標本庫にサイヨウザサの花付の標本があります。
1995年6月3日、三宅氏が神戸市北区上谷上で採ったものです。
画像がその標本です。
秒の表記のない緯度、経度の示す辺りを1㎞ほどの幅をとって探索した結果、サイヨウザサは丸山川流域でのみ見つかったので、三宅氏の標本採集場所はおそらくそこだろうと思います。
元々、ネザサと同定されていたものが、2015年10月26日、支倉千賀子氏によってサイヨウザサと再同定されています。
稈が途中から切られているため、花茎が出ている節が、どの辺りなのか明確には分かりませんが、おそらく稈の中部付近の節から円錐花序が抽出しています。

Re: 神戸市北区の丸山川流域のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/14 (Sat) 23:20:32
上の画像の標本に花がなくとも、サイヨウザサに相違ないと思いますが、やはり花の器官を確認出来ると、絶大な安心感があります。
開花周期が長く、花を見ることが稀なササ類ですが、先人の努力の積み重ねによって多くの種の花の特徴が確認されています。
サイヨウザサの花の特徴は、『日本のタケ亜科植物』によると、「円錐花穂は稈上方から抽出し、先端で疎らに3~7個の小穂を付けた小花梗を分枝する。小穂は黒褐色で扁平な線形~披針形で、長さ2~3㎝、8~10個の小花からなる。第一包穎は2.5㎜、第二包穎は6.5㎜で4㎜ほどずれて着く。外穎は長さ9㎜で先端がのぎ状に尖り、7~9脈、全体に褐色の微細な毛を散生し、縁に繊毛状の毛が出る。格子目なし。」と言うことです。
画像は第一包穎と第二包穎がずれてつくさまを写しています。

Re: 神戸市北区の丸山川流域のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/14 (Sat) 23:45:17
現在、人博の標本庫には30点のサイヨウザサの標本があります。
全て元々は違った種に同定されていた標本を、支倉千賀子氏が近年サイヨウザサと再同定したものです。
管見によれば、三宅氏の花付の標本以外でサイヨウザサと考えられるものは1点もありませんでした。
一例を示します。
この画像の標本は、細見氏が1977年9月23日、朝来郡の段ヶ峰で採ったもので、チマキザサと同定されています。
1995年4月5日に村田源氏もチマキザサと同定しています。
そして2015年7月11日、支倉千賀子氏によってサイヨウザサと同定されています。
枝先に6枚の葉をつけたサイヨウザサは、あり得ないと思います。
それも長さが25㎝もある葉までつけたものは。
サイヨウザサは枝先に2~3枚の葉をつけます。
各器官の特徴を見るまでもなく、サイヨウザサである可能性は全くないと思います。
サイヨウザサもチマキザサも葉裏、稈鞘、葉鞘が無毛です。
この標本は、細見氏、村田氏同様に私もチマキザサだと考えます。
人博には、他にも支倉氏が再同定したアリマコスズやケナシカシダザサの標本がそれなりにありますが、私の目には全て違っているように見えました。

ケナシカシダザサとコウベコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/01 (Tue) 23:19:49
六甲山の某所で、9月下旬にケナシカシダザサに出会いました。
ケナシカシダザサは、スズザサ属で、「九州北部から西南日本にかけて稀に出現する」(『日本のタケ亜科植物』)小型のササです。
私が出会った群落は、百数十の稈からなる小規模なもので、稈の高さは最大で40㎝、直径は2㎜ほどです。
各節で移譲的に分枝し、葉の長さは18㎝、幅は2.5~3㎝くらいのものが多く、葉の表面には光沢があり、裏面は無毛、葉にはしわが目立ち、葉脈に沿って凹凸が明らかなものもあります。
稈鞘には開出長毛が密生し、葉鞘は無毛、節の膨らみはほとんど目立たず、葉舌は切型、肩毛は確認出来ませんでした。

画像は群落の一部を写しています。

Re: ケナシカシダザサとコウベコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/01 (Tue) 23:22:31
以下に特徴を確認します。
葉身の形は、アリマコスズやイナコスズより、細身のサイヨウザサに近い印象を受けました。

Re: ケナシカシダザサとコウベコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/01 (Tue) 23:23:53
葉脈に沿って凹凸が目立つ葉もあります。

Re: ケナシカシダザサとコウベコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/01 (Tue) 23:26:40
稈鞘には開出長毛があります。
9月下旬に見たためだと思いますが、脱落してあまり残っていない株が多かったです。

Re: ケナシカシダザサとコウベコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/01 (Tue) 23:27:52
葉鞘は無毛。

Re: ケナシカシダザサとコウベコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/01 (Tue) 23:30:21
次に標本を3点示します。
この標本は稈高30㎝ほどで、2つの節において移譲的に分枝しています。

Re: ケナシカシダザサとコウベコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/01 (Tue) 23:32:26
上の画像の移譲的分枝様式①の拡大画像です。

Re: ケナシカシダザサとコウベコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/01 (Tue) 23:33:39
移譲的分枝様式②の拡大画像です。

Re: ケナシカシダザサとコウベコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/01 (Tue) 23:34:48
この標本は、稈基部と上部で分枝しています。

Re: ケナシカシダザサとコウベコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/01 (Tue) 23:36:43
この標本は、稈基部と中部で分枝しています。
外鞘的分枝様式も見られます。

Re: ケナシカシダザサとコウベコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/01 (Tue) 23:39:55
上の画像の外鞘的分枝様式の拡大画像です。

コウベコスズについて語る必要があるのですが、今日はこのへんで失礼します。

Re: ケナシカシダザサとコウベコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/02 (Wed) 23:16:17
カシダザサと言うスズザサ属の小型のササがあります。
『日本のタケ亜科植物』には、「稈は高さ50㎝、直径3㎜で、基部および上方で分枝する。稈鞘は開出長毛を密生し、葉鞘は無毛。葉は楕円状披針形で、長さ20㎝、幅2.5㎝、皮紙質、裏面に軟毛を密生する。肩毛は放射状。九州、四国から関東地方の太平洋側にかけ稀に出現する。」と説明されています。
基準産地が、大阪府高槻市樫田なのでカシダザサです。
葉裏に毛がないこと以外は、カシダザサと同じような特徴を持つササがケナシカシダザサです。

コウベコスズは、1948年に小泉源一が記載(基準産地は六甲山系の再度山)し、1977年に鈴木貞雄がケナシカシダザサの変種としました。
『原色日本植物図鑑 木本編(Ⅱ)』(北村四郎 村田源 平成20年6月30日 19刷発行 保育社に)は、ササ類の特徴も詳細に記されています。
分類は「古い」分類ですが、各種の特徴の記述は参考になります。
この図鑑では、ケナシカシダザサは葉鞘が無毛であるのに対して、コウベコスズは葉鞘に細毛が密生し、長い毛が混生する変種とされています。
『日本のタケ亜科植物』では、ケナシカシダザサの葉鞘の毛の特徴を、「葉鞘は無毛、もしくは細毛あるいは細毛と長毛を混生する。」と説明しています。
葉鞘の毛の有無程度の違いを変種とするか、変異の範疇と考えるかは、分類学者次第ですが、管見によればそれくらいの相違点で、品種ならともかく、変種にするのは不適切です。

私が見たケナシカシダザサの群落では、葉鞘に毛のある株は確認出来ませんでしたが、早期に脱落している可能性も十分にあり、来年の初夏に確かめるつもりです。

葉裏無毛のイナコスズは、葉裏、稈鞘、葉鞘の毛の有無に関して、サイヨウザサと選ぶところがないことは、既に述べました。
葉鞘有毛のケナシカシダザサは、葉裏、稈鞘、葉鞘の毛の特徴がアリマコスズと同じになります。

兵庫県南東部のセッツコスズ、フタタビコスズ、アリマコスズ、コウベコスズの小篶四姉妹の比較は、興味深い問題です。

画像はケナシカシダザサの群落のやや疎らな所です。ケナシカシダザサは、枝先に2~3枚の葉をつけ、葉にはぱりっとした張りがあります。

Re: ケナシカシダザサとコウベコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 23:57:30
「船坂川沿いのケナシカシダザサ」に目を通される前に、こちらをご一読下さい。

船坂川沿いのケナシカシダザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 23:21:17
六甲山の最高峰付近の源流から流れ出し、JR道場駅の近くで武庫川に交わる船坂川の流域で、11月下旬に万単位の株からなるケナシカシダザサの群落に出会いました。
画像は船坂川のすぐ側の群落の一部を写しています。
川により近い所に生える背の高いササはネザサです。

Re: 船坂川沿いのケナシカシダザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 23:24:42
この画像は川からやや離れた場所にある群落の一部を写しています。
枯れた前年の白っぽい葉が目立つのは、草刈りをされずに数年は経過していることを示しています。

Re: 船坂川沿いのケナシカシダザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 23:26:44
岩場にも生えていました。

Re: 船坂川沿いのケナシカシダザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 23:28:28
浅い隈取が目立つ葉が多く見られました。

Re: 船坂川沿いのケナシカシダザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 23:33:07
1年生の稈4本を並べて写した画像です。
稈鞘に覆われていないむき出しの稈の部分が少ないのは、稈鞘が節間の長さに迫るほど長いからです。
また節上部の膨らみはほとんど目立ちません。
この2つの特徴からスズザサ属のササであることが分かります。

Re: 船坂川沿いのケナシカシダザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 23:34:47
中には、稈鞘が節間より長く、スズダケのように稈全体が稈鞘に覆われている株もありました。

Re: 船坂川沿いのケナシカシダザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 23:37:09
表面に光沢があり、ぱりっとした張りがある葉の長さは18㎝くらいのものが多く、

Re: 船坂川沿いのケナシカシダザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 23:38:30
葉の幅は3㎝ほどのものが多かったです。

Re: 船坂川沿いのケナシカシダザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 23:40:27
肩毛はほとんど確認出来ませんでしたが、痕跡的に放射状らしき形をとどめているものもありました。

Re: 船坂川沿いのケナシカシダザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 23:43:02
葉鞘の毛もほとんど確認出来ませんでしたが、わずかに細毛が残っているものもありました。
白い付着物とは別に、微細な毛が生えています。

Re: 船坂川沿いのケナシカシダザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 23:45:36
稈鞘の毛もほとんど残っていませんでしたが、残存する部分的な開出長毛を確認できる株がいくつかありました。 

Re: 船坂川沿いのケナシカシダザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 23:47:06
これも残存する稈鞘の開出長毛の例です。

Re: 船坂川沿いのケナシカシダザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 23:48:54
これもまた残った稈鞘の毛の例です。

Re: 船坂川沿いのケナシカシダザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 23:52:32
この群落では、ほとんどの株が移譲的に分枝していましたが、移譲・外鞘混合型もいくつかありました。

この標本は4本の本年枝を出しています。
最下の枝のみ外鞘的に分枝し、あとの枝は移譲的に分枝しています。

Re: 船坂川沿いのケナシカシダザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 23:54:29
上の画像の外鞘的分枝様式の拡大画像です。

鎌倉峡のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 09:05:55
神戸市北区の渓谷、鎌倉峡は、北条時頼に因んでその名を得ています。
康元元年(1256)、執権を辞し世を捨て、覚了房道崇(どうすう)あるいは最明寺入道と号した北条時頼が、この渓谷を訪れ、景観に感じ入り、一時居住したことにより、鎌倉峡と呼ばれるようになったと言われています。
鎌倉幕府と言う語は近世以降使われるようになったもので、当時は政権を武家階級では、鎌倉殿と呼ぶのが一般的で、そのトップを務めた時頼が一時気に入って住んでいたため鎌倉峡と言う名称が付いたと言う説です。
画像は鎌倉峡にある石碑です。

Re: 鎌倉峡のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 09:08:35
区役所と地元の自治会が制作した看板には、鎌倉峡と言う名称についての異説も紹介してあります。

Re: 鎌倉峡のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 09:13:29
その鎌倉峡にサイヨウザサの万単位の株が生えていました。
11月下旬の観察なので、各器官の毛が脱落していることを前提に慎重に見ましたが、サイヨウザサで間違いないと思います。
全国的には希少種のサイヨウザサですが、兵庫県南東部ではそれなりにあるようです。
画像は、鎌倉峡を流れる船坂川のすぐ側に生えるサイヨウザサです。

Re: 鎌倉峡のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 09:15:12
ネザサ(赤い矢印)と混生している所もあります。

Re: 鎌倉峡のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 09:17:19
枯れた前年の葉、白い隈取を生じ始めた葉、緑色をまだよく保っているが入り交じっています。

Re: 鎌倉峡のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 09:18:36
一面を覆っている所もあります。

Re: 鎌倉峡のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 09:22:58
分枝様式はほとんどが移譲的ですが、外鞘・移譲混合型もいくつか見つかりました。
その一例を紹介します。

この標本は稈高30㎝ほどで、4本の本年枝を出しています。
一番上の分枝節のみが移譲的、他の3つの分枝節は全て外鞘的に分枝しています。

Re: 鎌倉峡のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 09:24:12
上の画像の外鞘的分枝様式①の拡大画像です。

Re: 鎌倉峡のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 09:25:43
外鞘的分枝様式②の拡大画像です。

Re: 鎌倉峡のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 09:26:49
外鞘的分枝様式③の拡大画像です。

Re: 鎌倉峡のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 09:28:02
外鞘的分枝様式③を反対側から写した画像です。

Re: 鎌倉峡のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/08 (Sun) 09:29:17
一番上の分枝節の移譲的分枝様式の拡大画像です。

JR道場駅付近のスズダケ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/06 (Fri) 23:57:13
11月下旬に、神戸市北区のJR道場駅付近でスズダケに出会いました。
小さな渓谷のやや急な斜面生える、数百株からなる小規模群落です。
その自生地の標高は160mくらいなので、ブナ・スズダケ群集と言う語からは、完全に外れた生育環境です。
また、他のスズダケの群落から、やや隔絶しています。
以前に神戸の諏訪山の、標高110メートルにある、やはり他の群落からやや離れたスズダケの群落を紹介しましたが、それに次ぐ低標高地のスズダケです。

画像はそのスズダケの群落の一部を写しています。

Re: JR道場駅付近のスズダケ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/06 (Fri) 23:59:55
その群落では、密集した藪を形成している部分もありました。

Re: JR道場駅付近のスズダケ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/07 (Sat) 00:02:21
この群落では、葉の長さは25㎝前後のものが多く、最大で30㎝くらいでした。

Re: JR道場駅付近のスズダケ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/07 (Sat) 00:04:09
葉の幅は、4㎝前後です。

Re: JR道場駅付近のスズダケ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/07 (Sat) 00:07:12
スズダケは、稈鞘の長さが節間より長いため、1年生の分枝していない稈では、稈全体がすっぽりと稈鞘に包まれています。
この標本は、稈高1mほどの1年生の稈です。

Re: JR道場駅付近のスズダケ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/07 (Sat) 00:12:20
この標本は、おそらく2年生の稈で、7本の本年枝を出しています。
枝先に1~2枚(3枚のこともあるが2枚のことが多い)の、表面に光沢がある革質の葉をつけるのがスズダケの特徴です。
稈鞘の長さと、葉の質と枚数によってスズダケは同定が可能です。

神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/10 (Sat) 20:57:15
神戸市立森林植物園にイヌトクガワザサがありました。
職員の福本市好氏によると、クマザサとして植栽したものだそうです。
福本氏のご厚意で、標本採集の許可も頂きました。
改めて感謝いたします。
イヌトクガワザサはアマギザサ節のササで、兵庫県では、未確認種のようです。
アマギザサとはイブキザサの異名で、アマギザサ節の種では、伊吹山を基準産地とするイブキザサが最もよく知られています。
イヌトクガワザサは広島や京都などに分布し、兵庫県にある確率は低くないと思います。
私が森林植物園で観察したイヌトクガワザサは、稈高が最大で130㎝、稈の直径は5㎜ほど、皮質~皮紙質の葉は両面無毛で表面には光沢があり、長さは25㎝、幅が5㎝くらいのものが多く、枝先に4~5枚ついています。
稈の中部以上で盛んに1節から1本の枝を、内鞘的に出している株が多く、稈基部付近から分枝しているものもあります。
稈鞘は開出長毛が密生し、節の膨らみは少し目立つ程度、節にも開出長毛が密生しています。
稈鞘の長さは、中部以上では、節間と同長くらい、中部以下では節間より短いものが多いです。
葉鞘は無毛、葉舌は低い山形、肩毛は放射状です。
以上の特徴を、小林幹夫先生に伝え、イヌトクガワザサで間違いないでしょうと言う御返事を頂きました。

画像は、森林植物園のイヌトクガワザサの群落の一部です。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/10 (Sat) 21:00:25
ここからイヌトクガワザサの特徴を確認します。
まずは稈全体のプロフィールです。
この標本は稈高100㎝ほどで、中部以上で盛んに内鞘的に分枝しています。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/10 (Sat) 21:02:16
分枝様式は内鞘的です。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/10 (Sat) 21:03:53
葉裏は無毛。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/10 (Sat) 21:05:03
葉舌は低い山形で、葉鞘は無毛。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/10 (Sat) 21:06:07
肩毛は放射状。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/10 (Sat) 21:07:15
稈鞘は開出長毛が密生。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/10 (Sat) 21:08:59
節にも開出長毛が密生し、節の膨らみは少し目立つ程度です。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/10 (Sat) 21:15:10
よく手入れされた群落の、他種とあまり混生していない部分はなかなか見応えがあります。
兵庫県で今の所、おそらく唯一、イヌトクガワザサを、アマギザサ節のササを見ることが出来る神戸市立森林植物園です。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/10 (Sat) 21:45:18
ササ属アマギザサ節のササは、イヌトクガワザサ以外に、イブキザサ、サイゴクザサ、ミアケザサ、ミヤマクマザサ、トクガワザサ、マキヤマザサ、ミネザサの7種が、『日本のタケ亜科植物』に掲載されています。
全て、兵庫県では未確認のようです。
『日本のタケ亜科植物』によると、アマギザサ節は、
「中国地方では、山地帯から太平洋沿岸部まで優占し、奈良・三重県境にいたる。西限の韓国チェジュ島ハルラ山に出現するタンナザサから、日本列島の中央構造線、伊豆諸島の御蔵島までの島嶼、関東地方では美濃・足尾帯、東北地方では棚倉構造線沿いの古い地層の地域を中心に対馬、隠岐諸島~新潟佐渡島、柏崎市にかけての日本海側、蔵王山麓から礼文島まで分布する。」
と言うことです。
兵庫県でもありそうです。
画像は、1年生のイヌトクガワザサの稈です。
稈の3分の1以下の高さでは、稈鞘が節間と同長かそれ以下、3分の2以上では節間より長いです。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/28 (Thu) 23:41:33
再考の結果、このササはイヌトクガワザサではないと言う結論が出ました。
その正体を考える前に、まず六甲山で10月下旬に出会った、「正しい」イヌトクガワザサを紹介します。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/03 (Tue) 22:56:43
それでは、このササについて再考します。
まず、8月10日21時45分に投稿した、一番下の画像を見ると、稈の下部で、稈鞘に覆われていない稈の緑の部分が少しだけ露出しています。
そして、稈の中部、上部では稈鞘が節間と同長か、より長いため、稈は露出していません。
このように稈鞘が長いのは、スズザサ属の特徴です。
また節上部の膨らみが目立たないのもそれを裏付けています。
このササの群落を写したこの画像では、このササの長い稈鞘が白っぽく目立っています。
撮影は8月上旬です。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/03 (Tue) 23:05:26
スズザサ属はスズダケ属とササ属のいずれかの種を推定両親種とする推定属間雑種分類群です。
それゆえ、スズ・ザサ属です。
スズダケは稈鞘が節間より長く、節の上部が膨らみません。
その特徴をスズザサ属は受け継いでいるため、稈鞘が長く、節上部の膨らみが目立たないと考えられます。
画像は、10月下旬に採ったこのササの1年生の稈の標本です。
稈高は90㎝くらいあります。
やはり稈鞘が長く、節上部の膨らみは目立ちません。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/03 (Tue) 23:14:23
8月10日21:00に投稿した画像のササは、混生している他種でした。
その正体については、また改めて考察します。
この画像は、このササの間違いのない標本です。
10月下旬に採ったもので、各器官の毛などは、おおかた脱落しています。
前年の稈から、3本の本年枝が出ています。
分枝様式は移譲的です。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/03 (Tue) 23:16:45
上の画像の移譲的分枝様式①の拡大画像です。
主稈の稈鞘が主稈を離れ、出た枝を巻いています。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/03 (Tue) 23:17:53
移譲的分枝様式②の拡大画像です。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/03 (Tue) 23:35:27
8月10日21時02分の画像はこのササの画像です。
枝の出る180度反対側の稈鞘が破れているので、やはり内鞘的ではなく、移譲的分枝様式です。
このササの分枝様式は、内鞘的ではなく移譲的でした。
また、8月10日21時05分の投稿の画像はこのササで間違いありませんが、葉鞘は無毛ではなく、細毛が明白に生えています。
それに21時06分の肩毛、21時07分の稈鞘の毛の画像は、21時00分の画像のササと同種のもので、このササのものではありませんでした。
このササの肩毛は8月上旬に初めて見た時点で確認出来ていません。
稈鞘の毛の画像は撮っていました。
撮影は8月上旬です。
開出長毛が生えていいます。


Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/03 (Tue) 23:42:38
8月10日21時08分の投稿画像は、このササですが、節上部に開出長毛がよく残っているだけで、そこにだけ生えている訳ではありません。

この画像は8月上旬に撮影していたもので、移譲的分枝様式がよく分かります。
前年の稈から本年枝が2本出ています。
主稈を離れた稈鞘が分かれた枝を巻き、枝の反対側では、稈鞘が破れています。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/12/04 (Wed) 00:02:36
このササの特徴をまとめると、スズザサ属で稈の高さが130㎝、直径が5㎜くらい、枝先に光沢のある、革状紙質で裏が無毛の葉を4~5枚つけ、葉の長さは25㎝、幅は5㎝ほどのものが多く、葉鞘には細毛が生え、葉舌は低い山形、稈鞘には開出長毛が密生すると言うことになります。
『日本のタケ亜科植物』の110頁のスズザサ属の検索表を見ると、当てはまるものはカガミナンブスズだけです。
カガミナンブスズは、『日本のタケ亜科植物』によると、「岩手県米内(よない)川流域ならびに近畿地方に稀に産する」ササです。
愛媛県RDB2014では、「本州の北部と西南部の太平洋側や四国にごく稀に自生する。」となっていて、愛媛県の絶滅危惧ⅠA類に指定されています。
アリマコスズをカガミナンブスズの矮小型とする見解があるのは、ともにスズザサ属のササで、葉裏無毛、稈鞘に開出長毛、葉鞘に細毛が生える点が共通しているからだと思います。

六甲山のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/28 (Thu) 23:50:01
今年の8月に投稿した「神戸市立森林公園のイヌトクガワザサ」は、再考した所、イヌトクガワザサではないと言う結論が出ました。
その正体を考え直す前に、10月下旬に六甲山で出会った「正しい」イヌトクガワザサを紹介します。

その群落は数百株からなる小規模なものです。
稈の高さは最大で150㎝、直径は6㎜ほどで、各節より内鞘的に1本の枝を出し、枝先には5~6枚の葉をつけていることが多いです。
画像は群落の一部を写しています。

Re: 六甲山のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/28 (Thu) 23:52:26
ミカエリソウと混生している所があり、ミカエりソウは名残の花が咲いていました。

Re: 六甲山のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/28 (Thu) 23:57:20
1年生の高さ100㎝ほどの稈を写したのがこの画像です。
赤い矢印が節を示しています。
アマギザサ節のササの特徴は、稈の中部以下では、稈鞘の長さが節間の2分の1以下であることです。
この稈では稈の中部よりやや上でもその特徴が確認出来ます。

Re: 六甲山のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/29 (Fri) 00:00:54
アマギザサ節のササのもう一つの特徴は、節の上部が球状に膨出していることです。
この画像では、それが顕著に分かります。
なお稈鞘の毛は脱落していると考えられます。
それは脱落していないものもあるからです。

Re: 六甲山のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/29 (Fri) 00:02:29
分枝様式は内鞘的です。
やはり稈鞘の毛は脱落しています。

Re: 六甲山のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/29 (Fri) 00:06:02
葉の長さは25~28㎝くらいのものが多いですが、この画像のように30㎝に及ぶものもあります。
革状の紙質の葉の表面には光沢があります。

Re: 六甲山のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/29 (Fri) 00:07:31
葉の幅は、5~6㎝ほどのものが多く見られます。

Re: 六甲山のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/29 (Fri) 00:09:49
葉舌は低い山形。
画像で1番上の葉鞘上縁の肩毛は完全に脱落していると考えられます。

Re: 六甲山のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/29 (Fri) 00:11:34
開出長毛が残っている稈鞘もありました。

Re: 六甲山のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/29 (Fri) 00:14:03
この標本は稈高約120㎝、2本の枝を内鞘的に出しています。
標本は3つに切り分けています。

Re: 六甲山のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/29 (Fri) 00:16:11
上の画像の内鞘的分枝様式①の拡大画像です。

Re: 六甲山のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/29 (Fri) 00:17:16
上の画像の内鞘的分枝様式②の拡大画像です。

Re: 六甲山のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/29 (Fri) 00:59:26
葉裏と葉鞘の毛について記すのを忘れていました。
ともに無毛です。
画像はイヌトクガワザサの放射状の肩毛を写しています。
多くの株で、脱落していました。

鵯越(ひよどりごえ)森林公園のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/23 (Sat) 23:11:02
神戸市北区にある鵯越森林公園は、義経が一ノ谷の平家を急襲した、「鵯越の逆落とし」で名高い、鵯越の森林の一部を神戸市が公園として整備したものです。
公園と言っても、53ヘクタール(甲子園球場約14個)の敷地のほとんどが山の中で、自然な植生もよく残っています。
その鵯越森林公園の中に、フタタビコスズのようなササがあると言う情報を知人に頂き、先日11月中旬に観察しに行きました。
そのササはサイヨウザサで、万単位の群落を確認出来ました。

画像は鵯越森林公園の入口にある看板の一部を写したものです。
私がつけ加えるなら、高木ではタカノツメ、低木ではカクレミノもこの場所では多く見られます。

Re: 鵯越(ひよどりごえ)森林公園のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/23 (Sat) 23:13:15
画像は万単位の株からなるサイヨウザサの群落の一部を写しています。

Re: 鵯越(ひよどりごえ)森林公園のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/23 (Sat) 23:15:30
11月の中旬と言うことで、葉の縁に隈取が生じ始めた葉もあり、

Re: 鵯越(ひよどりごえ)森林公園のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/23 (Sat) 23:18:35
すでに深く隈取ができた葉もありました。
緑一色の葉があまり残っておらず、前年の枯れた部分の多い葉も目立っていました。

Re: 鵯越(ひよどりごえ)森林公園のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/23 (Sat) 23:20:45
ここでは多く生えているウラジロとサイヨウザサの2ショットです。

Re: 鵯越(ひよどりごえ)森林公園のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/23 (Sat) 23:22:20
名残の花を咲かせていたアキノキリンソウとの2ショットです。

Re: 鵯越(ひよどりごえ)森林公園のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/23 (Sat) 23:23:50
西神戸ではわりとよく見られるコクランとの2ショットです。

Re: 鵯越(ひよどりごえ)森林公園のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/23 (Sat) 23:25:02
リンボクとの2ショットも撮影出来ました。

Re: 鵯越(ひよどりごえ)森林公園のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/23 (Sat) 23:30:32
まだ緑がよく保たれている本年枝につく葉を見ると、やはり表面に光沢があります。
ぱりっとした張りがあり、ぺらぺらした紙質ではない葉が枝先に2~3枚つくのがサイヨウザサの特徴です。
葉の長さは18㎝前後、幅は3㎝くらいのものが、この場所では多く見られました。

Re: 鵯越(ひよどりごえ)森林公園のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/23 (Sat) 23:39:47
このサイヨウザサの標本は、1年生の稈で、高さは約30㎝です。
赤い矢印は節を示しています。
稈鞘、葉鞘、葉裏が全て無毛。
稈鞘の長さが節間の5分の4から6分の5くらいあるのは、稈鞘が節間より長いスズダケを片方の親とするスズザサ属の特徴で、節の膨らみが目立たないのも、スズダケの血が入っているからだろうと思います。

Re: 鵯越(ひよどりごえ)森林公園のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/23 (Sat) 23:41:57
このサイヨウザサの標本は各節より、移譲的に1本の枝を出しています。
稈高は35㎝くらいです。

Re: 鵯越(ひよどりごえ)森林公園のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/23 (Sat) 23:43:03
上の画像の外鞘的分枝様式①の拡大画像です。

Re: 鵯越(ひよどりごえ)森林公園のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/23 (Sat) 23:47:24
この上で外鞘的分枝様式①と書いたのは誤りです。
移譲的分枝様式①に訂正します。

この標本は、移譲・外鞘混合型です。
最下の分枝節とその上の分枝節は外鞘的に分枝しています。

Re: 鵯越(ひよどりごえ)森林公園のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/23 (Sat) 23:55:54
これは、上の画像の外鞘的分枝様式①の拡大画像です。

Re: 鵯越(ひよどりごえ)森林公園のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/24 (Sun) 00:00:02
外鞘的分枝様式②の拡大画像です。
スズザサ属のササで、例外的に移譲・外鞘混合型が見られる場合、最下の分枝節で外鞘的に分枝することが多いようです。

Re: 鵯越(ひよどりごえ)森林公園のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/24 (Sun) 00:04:52
この移譲・外鞘混合型のサイヨウザサの標本の稈高は35㎝ほどです。
地際の2つの節には冬芽が形成されています。
この画像は、その部分を拡大したものです。
つまり、サイヨウザサでは、稈基部から頂部までの全ての節で腋芽が出来ることになります。

宝塚市のアズマザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/03 (Sun) 08:52:48
昨日投稿した宝塚市のミアケザサーミヤコザサ複合体は、アズマザサと混生しています。
アズマザサ属のアズマザサは、「九州北部本州中部、東北地方の太平洋側にかけて分布し、東日本の太平洋側に特に多い」(『日本のタケ亜科植物』)ササです。
『日本のタケ亜科植物』の分布図を見ると、九州では大分県に4つ、山口県、島根県に1つずつ、広島県に2つ、点が打ってあり、近畿地方では、兵庫県南東部に1つ、和歌山県に1つ、滋賀県に2つ点が打ってあります。
東笹の名称が示すように、東日本では普通種ですが、近畿地方では産地が少なく希少種です。

この画像はミアケザサーミヤコザサ複合体と混生している様子を写しています。
青い矢印は全てアズマザサを示しています。
撮影は10月中旬です。

Re: 宝塚市のアズマザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/03 (Sun) 09:00:38
この場所のアズマザサの群落は、100株未満からなる小規模なものです。
薄暗い所に生え、他種との競合もあって、生育環境が悪く、稈高は、最大で120㎝ほどです。
条件が良ければ高さは2mを越えます。
この画像は、落下した枝を取り除いて写した群落の一部です。

Re: 宝塚市のアズマザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/03 (Sun) 09:02:36
この群落では、稈高60㎝前後の小型の株も多く見られました。

Re: 宝塚市のアズマザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/03 (Sun) 09:08:02
このアズマザサの標本は、稈高100㎝ほどで、移譲的に1本ずつ枝を出しています。
アズマザサ属のササは、1つの節から1本の枝を出す種と3本の枝を出す種があり、分枝様式は移譲的か移譲・外鞘混合型のいずれかです。

Re: 宝塚市のアズマザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/03 (Sun) 09:13:32
この標本は稈高90㎝ほどで、1つの節では外鞘的に分枝しています。
他の分枝節では全て移譲的分枝様式が見られます。
『日本のタケ亜科植物』では、アズマザサは移譲的に1節より1枝を出すタイプに分類されていて、移譲・外鞘混合型にはなっていません。
この群落では、他にもいくつか外鞘的分枝様式を確認しました。

Re: 宝塚市のアズマザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/03 (Sun) 09:14:44
上の画像の外鞘的分枝様式の拡大画像です。

Re: 宝塚市のアズマザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/03 (Sun) 09:18:22
アズマザサの葉は紙質で、枝先に5~7枚くらいつけることが多く、葉の長さは20~25㎝ほどのものを多く見ました。
この画像は葉の裏側を写しています。

Re: 宝塚市のアズマザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/03 (Sun) 09:19:49
葉の幅は、3.5~4㎝くらいのものが多いです。

Re: 宝塚市のアズマザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/03 (Sun) 09:22:17
葉の表面には毛が散生しています。
10月半ばでもよく残っていました。

Re: 宝塚市のアズマザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/03 (Sun) 09:23:17
葉裏には軟毛が密生。

Re: 宝塚市のアズマザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/03 (Sun) 09:27:31
肩毛は放射状。
この画像では、水平方向に張った放射状になっていませんが、展開期ではもっと張っていたのかも知れません。
肩毛は脱落したのか、ほとんど残っていませんでした。
葉鞘には、細毛の名残がわずかにあります。

Re: 宝塚市のアズマザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/03 (Sun) 09:29:54
節(の上部)の膨らみは少し目立ち、稈鞘は無毛です。
稈鞘の毛は、また来年の展開期に確認します。

Re: 宝塚市のアズマザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/11/03 (Sun) 09:40:44
この群落では、葉柄基部外側の片側にのみあるカルス(推定雑種分類群を識別する目安)がいくつか確認できました。
アズマザサ属は、メダケ属のいずれかの種を片親とし、ササ属、スズダケ属、もしくはスズザサ属のいずれかの種をもう一方の親とする推定属間雑種分類です。(『日本のタケ亜科植物』325頁)
ここは、広島地方に優占するミアケザサと東日本に多いアズマザサが兵庫県南東部で一堂に会した、興味深い場所です。

宝塚市の見明笹(ミアケザサ)

  • 神戸の望月
  • 2019/11/02 (Sat) 09:13:00
宝塚市の西谷の森公園付近にある溜池の側の雑木林の林床に生えるミアケザサを紹介します。
ミアケザサについては、この下の「外鞘的分枝が多く見られるクマザサの群落」をご参照ください。
この場所では、数百株からなる小規模群落が見られます。
『日本のタケ亜科植物』によると、ミアケザサは稈高90㎝となっていますが、ここでは稈高が2mに及ぶ株もあります。
表題はミアケザサとしていますが、実際の所は、純粋種ではなく、ミヤコザサとの複合体だろうと推測しています。
その根拠は、ミヤコザサ(純粋種かどうかは不明)と混生していること、確認出来た分枝様式が全て外鞘的であること、葉柄基部外側の片側にカルスが多くあることです。

画像はミアケザサの群落の一部を写しています。

Re: 宝塚市の見明笹(ミアケザサ)

  • 神戸の望月
  • 2019/11/02 (Sat) 09:14:58
ミヤコザサと混生している様子です。
赤い矢印はミアケザサ、青い矢印はミヤコザサを示しています。

Re: 宝塚市の見明笹(ミアケザサ)

  • 神戸の望月
  • 2019/11/02 (Sat) 09:17:29
標本で外鞘的分枝様式を確認します。
撮影は9月中旬です。

Re: 宝塚市の見明笹(ミアケザサ)

  • 神戸の望月
  • 2019/11/02 (Sat) 09:19:13
上の画像の外鞘的分枝様式の拡大画像です。

Re: 宝塚市の見明笹(ミアケザサ)

  • 神戸の望月
  • 2019/11/02 (Sat) 09:23:33
この標本は、倒伏した前年の稈から本年枝が立ち上がっています。
最下の分枝節は稈鞘が破損して分枝様式が確認できませんが、それ以外の3本の本年枝は全て外鞘的に分枝しています。

Re: 宝塚市の見明笹(ミアケザサ)

  • 神戸の望月
  • 2019/11/02 (Sat) 09:25:07
上の画像の外鞘的分枝様式①の拡大画像です。

Re: 宝塚市の見明笹(ミアケザサ)

  • 神戸の望月
  • 2019/11/02 (Sat) 09:26:31
外鞘的分枝様式②の拡大画像です。

Re: 宝塚市の見明笹(ミアケザサ)

  • 神戸の望月
  • 2019/11/02 (Sat) 09:27:47
外鞘的分枝様式③の拡大画像です。

Re: 宝塚市の見明笹(ミアケザサ)

  • 神戸の望月
  • 2019/11/02 (Sat) 09:30:09
この画像は10月中旬の撮影ですが、成長し始めた腋芽が稈鞘を外鞘的に押し破っています。

Re: 宝塚市の見明笹(ミアケザサ)

  • 神戸の望月
  • 2019/11/02 (Sat) 09:32:12
葉柄基部外側の片側にカルスが多く見られました。

Re: 宝塚市の見明笹(ミアケザサ)

  • 神戸の望月
  • 2019/11/02 (Sat) 09:40:00
以上のことからこのササは、ミアケザサーミヤコザサ複合体だと推測しています。
純粋種のミアケザサなら、ササ属の特徴として内鞘的に分枝します。

アマギザサ節の特徴は、稈の中部以下の稈鞘の長さが節間の2分の1以下になり、節(の上部)が球状に膨出することです。
この画像に写っている3本の1年生の稈で、それが確認出来ます。
撮影は10月中旬で、稈鞘にほとんど破損がない稈を写しています。

Re: 宝塚市の見明笹(ミアケザサ)

  • 神戸の望月
  • 2019/11/02 (Sat) 09:43:15
この標本も1年生の稈です。
稈の中部以下くらいの稈鞘の長さが節間の2分の1以下です。
10月中旬の撮影で、稈鞘にはほとんど破損がありません。

Re: 宝塚市の見明笹(ミアケザサ)

  • 神戸の望月
  • 2019/11/02 (Sat) 09:44:30
上の画像の中部から下部にかけての辺りの拡大画像です。

Re: 宝塚市の見明笹(ミアケザサ)

  • 神戸の望月
  • 2019/11/02 (Sat) 09:47:54
この画像は、倒伏した前年の稈から立ち上がる本年枝を写しています。
やはり本年枝の下部では稈鞘の長さは節間の2分の1以下になっています。
撮影は9月中旬で、稈鞘の破損はほとんどありません。

Re: 宝塚市の見明笹(ミアケザサ)

  • 神戸の望月
  • 2019/11/02 (Sat) 09:52:49
ミアケザサの葉は、枝先に5~6枚つくことが多く、表面には光沢があり、裏面は無毛、質は革質と紙質の中間の革紙質、長さは20㎝前後、最大で25㎝ほど、幅は5~6㎝、最大で7㎝くらいです。
この画像は葉の長さを写しています。
これくらいが最大値です。

Re: 宝塚市の見明笹(ミアケザサ)

  • 神戸の望月
  • 2019/11/02 (Sat) 09:55:19
この画像は、葉の幅を写しています。
これくらいが最大値です。
葉の裏側で撮影しています。

Re: 宝塚市の見明笹(ミアケザサ)

  • 神戸の望月
  • 2019/11/02 (Sat) 09:57:20
ミアケザサの肩毛は放射状です。
撮影は10月中旬ですが、わりとよく肩毛は残っていました。

Re: 宝塚市の見明笹(ミアケザサ)

  • 神戸の望月
  • 2019/11/02 (Sat) 10:00:31
葉舌は低い山形で、葉鞘には、9月中旬で毛が確認出来ませんでした。
『日本のタケ亜科植物』によれば、ミアケザサの葉鞘の毛は脱落性のようです。

Re: 宝塚市の見明笹(ミアケザサ)

  • 神戸の望月
  • 2019/11/02 (Sat) 10:06:32
稈鞘には開出長毛が生えます。
10月中旬でもある程度はよく残っていました。

兵庫県では、今までアマギザサ節のササの分布の実状がほとんど分かっていませんが、まだまだ未発見の群落があると思います。

外鞘的分枝が多く見られるクマザサの群落

  • 神戸の望月
  • 2019/09/07 (Sat) 22:13:39
神戸市立森林植物園に植栽されているクマザサの群落があります。
数千から万に及びそうな数の稈で構成されている群落です。
そのうちの120本の稈を観察したところ、49本の稈で外鞘的分枝様式を確認しました。

クマザサはササ属チマキザサ節の種で、通常は内鞘的に分枝します。
以下にその特徴を見て行きます。

画像は群落の一部を写しています。

Re: 外鞘的分枝が多く見られるクマザサの群落

  • 神戸の望月
  • 2019/09/07 (Sat) 22:22:55
この群落のクマザサは、最大で稈の高さが170㎝、直径が5㎜ほどのものもありますが、120㎝前後の大きさのものが多く、各節でよく分枝しています。
クマザサは、革紙質で光沢のある、両面無毛の葉を枝先に3~7枚くらいつけます。

Re: 外鞘的分枝が多く見られるクマザサの群落

  • 神戸の望月
  • 2019/09/07 (Sat) 22:28:15
葉の基部は円形から切形に近いものもあって、幅は5~6㎝ほどのものが多く、先端はなだらかに細くならず、急に尖った形になります。
葉身の長さは20~25㎝くらいのものが多いです。

画像は幅が7㎝、長さが23㎝の葉です。

Re: 外鞘的分枝が多く見られるクマザサの群落

  • 神戸の望月
  • 2019/09/07 (Sat) 22:30:41
クマザサの稈鞘には、開出長毛が密生し、節の膨らみは少しだけ目立つ程度です。

Re: 外鞘的分枝が多く見られるクマザサの群落

  • 神戸の望月
  • 2019/09/07 (Sat) 22:32:46
クマザサの肩毛は、放射状で粗渋です。

Re: 外鞘的分枝が多く見られるクマザサの群落

  • 神戸の望月
  • 2019/09/07 (Sat) 22:42:47
ここまで見て来た特徴は、通常のクマザサのそれと異なりません。
この群落のクマザサの肩毛は、上の画像のようなチマキザサ節に典型的なものもあれば、ミヤコザサ節で見られるクモが足を伸ばしたような(チマキザサ節より長い)ものもあります。
この画像は、そのミヤコザサ節的な肩毛です。

Re: 外鞘的分枝が多く見られるクマザサの群落

  • 神戸の望月
  • 2019/09/07 (Sat) 22:46:23
葉舌は、チマキザサ節では、通常切形で目立ちませんが、この群落のクマザサの葉舌は、ミヤコザサ節のような低い山形のものも多くあります。

Re: 外鞘的分枝が多く見られるクマザサの群落

  • 神戸の望月
  • 2019/09/07 (Sat) 22:48:25
この画像は、この群落で確認した内鞘的分枝様式の一例です。

Re: 外鞘的分枝が多く見られるクマザサの群落

  • 神戸の望月
  • 2019/09/07 (Sat) 22:51:09
この標本は、2本の本年枝を出していますが、分枝様式は2つとも外鞘的です。

Re: 外鞘的分枝が多く見られるクマザサの群落

  • 神戸の望月
  • 2019/09/07 (Sat) 22:53:44
上の画像の外鞘的分枝①の拡大画像です。
枝が鋭角に出ているため、母稈の稈鞘を押し広げながら、突き破っています。

Re: 外鞘的分枝が多く見られるクマザサの群落

  • 神戸の望月
  • 2019/09/07 (Sat) 22:58:47
外鞘的分枝②の拡大画像です。
やはり、枝が鋭角に出ているため、母稈の稈鞘を押し広げなが突き破っています。
外鞘的な分枝は、クマザサの純粋種ではない可能性を強く示唆しています。

(続く)

Re: 外鞘的分枝が多く見られるクマザサの群落

  • 神戸の望月
  • 2019/09/16 (Mon) 21:25:48
このササに関して、不明な点があるためしばらく続編は保留しておきます。

Re: 外鞘的分枝が多く見られるクマザサの群落

  • 神戸の望月
  • 2019/10/31 (Thu) 00:02:18
このササを、ジョウボウザサを教えて頂いた広島のSさんに、現地で見て頂きました。
その結果ミアケザサであることが判明しました。

ミアケザサは、山口県の植物学者、見明(みあけ)長門氏(1934~1996)が発見し、鈴木貞雄が見明氏にその名を捧げ、1992年に記載しました。
ミネザサも先日紹介したように、同じような命名の由来があり、やはり1992年に記載されています。

ミアケザサは、ササ属アマギザサ節のササで、『日本のタケ亜科植物』によると、山口県、広島県、愛媛県に分布しています。
比較的新しく記載された種と言うこともあって、まだまだ正確な分布は解明されていないのだと思います。
学習の森にクマザサと考えて、植栽と思い込んでいましたが、広島のSさんの、こんなササ植えるはずがないのではというお言葉に納得させられました。
それに、六甲山のように人の手がかなり入った山でササを観察して、それなりに色々なササが生き残っていることが分かると、開発によっても簡単には滅びない種としてのササを知ることが、その地域の植生を明らかにするには重要なはずです。

アマギザサ節の特徴は、稈の中部以下くらいでは、稈鞘の長さが節間の2分の1以下であることです。
10月中旬に稈鞘の破損がほとんどない、高さが80㎝くらいの1年生の稈で、そのことを確認しました。

Re: 外鞘的分枝が多く見られるクマザサの群落

  • 神戸の望月
  • 2019/10/31 (Thu) 00:03:56
上の画像の稈の下部、中部の拡大画像です。

Re: 外鞘的分枝が多く見られるクマザサの群落

  • 神戸の望月
  • 2019/10/31 (Thu) 00:09:18
アマギザサ節では、節(の上部)が球状に膨出します。
このミアケザサの群落では、この画像程度の膨らみのものを多く見ました。
球状に膨出と言って良いかはどうかは分かりませんが、それなりに膨らみが目立っている節もあります。
撮影は10月中旬で、稈鞘の毛はだいぶ脱落しています。

Re: 外鞘的分枝が多く見られるクマザサの群落

  • 神戸の望月
  • 2019/10/31 (Thu) 00:17:00
もう1つ、葉舌が山形であることもアマギザサ節の特徴ですが、それは9月7日の投稿で確認出来ます。

9月7日の投稿で、外鞘的分枝様式が多く見られることも述べましたが、この標本でも、赤い4つの矢印全てが外鞘的分枝様式を示しています。
このミアケザサの下部の節は、球状に膨出しています。
撮影は8月中旬です。

Re: 外鞘的分枝が多く見られるクマザサの群落

  • 神戸の望月
  • 2019/10/31 (Thu) 00:20:24
このミアケザサは、稈高150㎝ほどで、稈の中部以上で盛んに分枝し、最下の分枝節は外鞘的に分枝しています。

Re: 外鞘的分枝が多く見られるクマザサの群落

  • 神戸の望月
  • 2019/10/31 (Thu) 00:22:24
上の画像の最下の分枝節の拡大画像です。
上の画像もこの画像も8月中旬の撮影です。

Re: 外鞘的分枝が多く見られるクマザサの群落

  • 神戸の望月
  • 2019/10/31 (Thu) 00:31:46
外鞘的分枝様式が多く見られるのは、おそらく純粋種でないためで、アマギザサーミヤコザサ複合体(『日本のタケ亜科植物』247頁)である可能性を示唆しています。
この群落に隣接してロッコウミヤコも生えています。
10月中旬の観察で、成長する前の腋芽がすでに稈鞘を破っている様子が確認出来ました。
腋芽が成長し、枝が伸びるにつれて稈鞘を、外鞘的に突き破るのかと考えていましたが、枝が伸びる前に既に稈鞘を押し破っていました。

Re: 外鞘的分枝が多く見られるクマザサの群落

  • 神戸の望月
  • 2019/10/31 (Thu) 00:37:46
このミアケザサの群落では、葉柄基部外側の片側にカルス(いぼ状の膨らみ)が確認出来ました。
推定雑種分類群を識別する目安となるものです。(『日本のタケ亜科植物』100頁)

Re: 外鞘的分枝が多く見られるクマザサの群落

  • 神戸の望月
  • 2019/10/31 (Thu) 00:39:01
カルスの画像をもう1つ示します。

六甲山のミネザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/25 (Fri) 10:11:43
10月中旬に観察した、六甲山の高所に生えるミネザサを紹介します。
ミネザサはササ属アマギザサ節のササで、四国・剣山系から山口・広島地方、そして日本海側の島根県隠岐島前(西ノ島)高崎山から新潟県にかけて分布します。(『日本のタケ亜科植物』)
『日本のタケ亜科植物』の分布図を見ると、近畿地方での分布は全く知られていないようです。
アマギザサ節に共通する特徴は、稈の中部以下では、稈鞘の長さが節間の2分の1以下、節が球状に膨出し、葉舌が山形と言う点が挙げられます。
ミネザサの他の特徴を確認すると、この群落では、稈の高さが最大で150㎝くらい、直径は5㎜ほど、主に稈の中部以上で盛んに分枝し、葉の表面には光沢があり、葉の長さは20~26㎝くらい、幅は5~7㎝程度の広楕円状披針形、葉裏には軟毛が密生し、葉鞘の毛は確認出来ず、肩毛は放射状、稈鞘には開出長毛と逆向き細毛が密生すると言うことになります。
画像はミネザサの群落の一部を写しています。

Re: 六甲山のミネザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/25 (Fri) 10:16:14
私が見た場所では、ロッコウミヤコと密に混生していました。
画像上部の黒い線で囲んだ辺りのササと、画像下部の黒い矢印で示したササはロッコウミヤコです。
画像の多くを占めるササはミネザサです。

Re: 六甲山のミネザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/25 (Fri) 10:23:03
以下にミネザサの特徴を確認します。
まずは、稈鞘の長さです。
この画像の1年生の稈は、高さが90㎝ほどで、稈鞘の破損はほとんどありません。
この株では、上部の節間でも稈鞘の長さが短く、節間の2分の1以下になっています。
通常は稈の中部以下で、この特徴が現れ、この特徴はアマギザサ節に共通するものです。

Re: 六甲山のミネザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/25 (Fri) 10:24:18
上の画像の一部を拡大したのが、この画像です。

Re: 六甲山のミネザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/25 (Fri) 10:26:12
節が球状に膨出するのも、アマギザサ節に共通する特徴です。
画像の青い矢印は、全てロッコウミヤコです。

Re: 六甲山のミネザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/25 (Fri) 10:29:14
葉舌が山形なのもアマギザサ節に共通する特徴です。
葉鞘の毛は確認出来ませんでしたがミネザサでは、脱落性であると言うことです。(『日本のタケ亜科植物』
この画像は標本を写しています。

Re: 六甲山のミネザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/25 (Fri) 10:31:39
1本の枝先に葉は5~6枚つくことが多く、葉の長さは20~26㎝くらいのものを多く見ました。

Re: 六甲山のミネザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/25 (Fri) 10:32:44
葉の幅は、5~7㎝ほどのものが多いです。

Re: 六甲山のミネザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/25 (Fri) 10:34:44
葉裏には軟毛が密生し、葉の質は、革質と紙質の中間的な革紙質です。

Re: 六甲山のミネザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/25 (Fri) 10:37:30
肩毛は放射状。
この画像では、葉舌は切形ですが、時期的に破損した可能性もあり、山形のものが多く見られました。

Re: 六甲山のミネザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/25 (Fri) 10:39:23
稈鞘には開出長毛と逆向き細毛が生えます。
時期的に脱落していることが多かったです。

Re: 六甲山のミネザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/25 (Fri) 10:41:26
この標本では、稈の中部以上で盛んに分枝しています。
稈鞘の脱落により、分枝様式は確認出来ません。

Re: 六甲山のミネザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/25 (Fri) 10:43:03
この標本では、1番下の分枝節で外鞘的に分枝しています。

Re: 六甲山のミネザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/25 (Fri) 10:44:13
上の画像の外鞘的分枝様式の拡大画像です。

Re: 六甲山のミネザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/25 (Fri) 10:54:36
この群落で確認できた27の分枝節における分枝様式は全て外鞘的でした。
このことは、このササがミネザサの純粋種ではないことを語っているようです。
この群落の株では、葉柄基部の片側に、カルス(いぼ状の膨らみ)が多く見られました。
『日本のタケ亜科植物』の100頁には、このカルスが推定雑種分類群を識別する目安になると記されています。
この画像はそのカルスを写しています。

Re: 六甲山のミネザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/25 (Fri) 10:56:10
この画像もカルスを写しています。
上の画像とこの画像は、標本を撮影しています。

Re: 六甲山のミネザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/25 (Fri) 22:09:22
ミネザサは、山口県の植物学者、見明(みあけ)長門氏(1934~
1996)が山口県の美祢(みね)市で発見したササで、命名者は鈴木貞雄です。
つまり漢字で書くと、美祢笹になります。
愛媛県では、絶滅危惧Ⅱ類(VU)になっています。

画像は六甲山の、おそらく純粋種ではないミネザサの群落です。

謎の気持ち悪い芋みたいなものなんだかわかりますか?

  • 秋田
  • 2019/10/22 (Tue) 11:28:17
庭に落ちていたのですが、あまりに気持ち悪く、気になったのでどなたか正体をご存知の方教えてください。

写真です

  • 秋田
  • 2019/10/22 (Tue) 11:38:13
写真です

六甲山のジョウボウザサ(上房笹)

  • 神戸の望月
  • 2019/10/19 (Sat) 09:58:29
先日、小林幹夫先生の紹介で神戸に来られた広島在住のSさんと六甲山でササを観察しました。
ササに関する造詣の深い方で、六甲山の高所に自生するジョウボウザサを教えて頂きました。
アズマザサ属のジョウボウザサは、『日本のタケ亜科植物』によると、稈の高さが3m、直径11㎜に達する大型のササです。
私が見た場所のものは、定期的に草刈りをされるため、稈高80㎝くらいの株が多く、人の手があまり入っていない所では、稈高150㎝を越えるものも何株かあり、最大で稈の高さが180㎝、直径は8㎜でした。
ロッコウミヤコと競合していますが、ロッコウミヤコの方が優勢です。
各節より移譲的に1本の枝を出し、枝先に長さが25~28㎝、幅が5~7㎝ほどの5~6枚の葉をつけていることが多く、葉の表面には光沢があり、葉裏は無毛です。
葉のつく間隔が長いのがアズマザサ属の特徴ですが、この群落でもそれが顕著に分かる株もそれなりにありました。
葉舌は低い山形、葉鞘は無毛、脱落性である放射状の肩毛は展開期でも多くは見られませんでした。
稈鞘には、すぐに脱落する微細な毛が生え、稈鞘基部にはやはり早期に脱落する長毛が生えます。
節の膨らみは少し目立つ程度です。
ジョウボウザサは、岡山県上房郡高梁町佐与谷(当時)が基準産地で、現存する群落の規模が小さいため、岡山県の絶滅危惧Ⅰ類に指定されています。
『日本のタケ亜科植物』によれば、「本州の中国地方から北陸、中部、関東、東北南部と広い範囲に出現する。」とされています。
分布図を見ると、近畿地方では京都府北部にのみ1箇所点が打ってあります。

画像はススキと混生するジョウボウザサです。
定期的に刈られて、70㎝ほどの高さに矮小化しています。


Re: 六甲山のジョウボウザサ(上房笹)

  • 神戸の望月
  • 2019/10/19 (Sat) 10:00:22
ロッコウミヤコと競合している様子です。
葉の幅がジョウボウザサの方が広いです。

Re: 六甲山のジョウボウザサ(上房笹)

  • 神戸の望月
  • 2019/10/19 (Sat) 10:02:18
あまり人の手が入っていない所では、稈高130㎝以上の株もあります。

Re: 六甲山のジョウボウザサ(上房笹)

  • 神戸の望月
  • 2019/10/19 (Sat) 10:04:04
葉のつく間隔が長いのが明らかに分かる1年生の稈です。

Re: 六甲山のジョウボウザサ(上房笹)

  • 神戸の望月
  • 2019/10/19 (Sat) 10:06:31
こ7枚の葉をつけた1年生の稈でも、葉のつく間隔が長いです。

Re: 六甲山のジョウボウザサ(上房笹)

  • 神戸の望月
  • 2019/10/19 (Sat) 10:07:51
葉の長さは25㎝~28㎝ほどのものが多いです。

Re: 六甲山のジョウボウザサ(上房笹)

  • 神戸の望月
  • 2019/10/19 (Sat) 10:09:07
葉の幅は、5㎝~7㎝くらいのものが多いです。

Re: 六甲山のジョウボウザサ(上房笹)

  • 神戸の望月
  • 2019/10/19 (Sat) 10:14:27
8枚の葉をつけた稈で葉の形を見ます。
先端の①と②は広い楔形、④~⑧は基部が切形に近いような円形、③はその中間型です。
この葉のつく位置による形の変化は、共通した特徴です。

Re: 六甲山のジョウボウザサ(上房笹)

  • 神戸の望月
  • 2019/10/19 (Sat) 10:15:50
葉舌は低い山形。

Re: 六甲山のジョウボウザサ(上房笹)

  • 神戸の望月
  • 2019/10/19 (Sat) 10:17:44
放射状の肩毛は、展開期でもすこしだけ確認出来ました。
撮影は6月上旬です。

Re: 六甲山のジョウボウザサ(上房笹)

  • 神戸の望月
  • 2019/10/19 (Sat) 10:21:31
稈鞘には早期脱落性の微細な毛が密生し、稈鞘基部にはやはり早期に落ちる長毛が生えます。
撮影は6月上旬です。

上の上の画像の所で、書き忘れましたが、葉鞘は無毛です。

Re: 六甲山のジョウボウザサ(上房笹)

  • 神戸の望月
  • 2019/10/19 (Sat) 10:24:26
10月中旬では、よく探せば稈鞘の逆向き細毛がわずかに残っている株がいくつかありました。

Re: 六甲山のジョウボウザサ(上房笹)

  • 神戸の望月
  • 2019/10/19 (Sat) 10:26:30
10月中旬でも稈鞘基部の長毛がわずかに確認出来ました。
節の膨らみは少し目立つ程度です。

Re: 六甲山のジョウボウザサ(上房笹)

  • 神戸の望月
  • 2019/10/19 (Sat) 10:27:30
分枝様式は移譲的。

Re: 六甲山のジョウボウザサ(上房笹)

  • 神戸の望月
  • 2019/10/19 (Sat) 10:29:36
これは展開期の6月上旬の撮影ですが、本年枝が6本出ています。

Re: 六甲山のジョウボウザサ(上房笹)

  • 神戸の望月
  • 2019/10/19 (Sat) 10:31:35
この標本は稈高160㎝くらいです。
稈上部と基部で分枝しています。

Re: 六甲山のジョウボウザサ(上房笹)

  • 神戸の望月
  • 2019/10/19 (Sat) 10:32:58
この標本は稈高170㎝くらいです。
稈上部で分枝しています。

Re: 六甲山のジョウボウザサ(上房笹)

  • 神戸の望月
  • 2019/10/19 (Sat) 10:34:57
この標本は1年生の稈で、高さは150㎝ほどです。
稈鞘の長さは節間の5分の4くらいです。

サイヨウザサとイナコスズと葉裏無毛のイナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/24 (Tue) 00:30:49
六甲山のイナコスズ(フタタビコスズ)の自生地では、葉裏無毛の株も混生していることを先日報告しました。
そのことを更に詳しく調べるために再訪した日、サイヨウザサの群落が隣接してあることが判明しました。
この画像は、サイヨウザサとネザサが混生している様子を写しています。

Re: サイヨウザサとイナコスズと葉裏無毛のイナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/24 (Tue) 00:33:11
通常タイプのイナコスズと葉裏無毛のイナコスズはこんな風に混生しています。

Re: サイヨウザサとイナコスズと葉裏無毛のイナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/24 (Tue) 00:48:10
イナコスズとサイヨウザサの詳しい特徴はすでに述べたので、ここでは省きます。
葉裏と稈鞘と葉鞘の毛の3つに絞って考えると、葉裏には軟毛が密生し、稈鞘と葉鞘は無毛なのがイナコスズ、葉裏も稈鞘も葉鞘も無毛なのがサイヨウザサです。
と言うことは、葉裏無毛のイナコスズは、毛の特徴では、サイヨウザサと同じになります。
どちらも同じスズザサ属の小型のササで、分枝様式も同じです。
そこで次に、葉裏無毛のイナコスズとサイヨウザサの標本を比較します。

この両者の標本を比べた画像を見ると、イナコスズの方が葉の幅が広いのが分かります。

Re: サイヨウザサとイナコスズと葉裏無毛のイナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/24 (Tue) 00:50:54
上の画像の黒い四角で囲った部分を拡大したのが、この画像です。
サイヨウザサの葉の基部は広いくさび形で、葉身は狭披針形です。

Re: サイヨウザサとイナコスズと葉裏無毛のイナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/24 (Tue) 00:52:17
それぞれ異なる標本を比較しました。

Re: サイヨウザサとイナコスズと葉裏無毛のイナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/24 (Tue) 01:04:35
上の画像の黒い四角の部分を拡大したのがこの画像です。
イナコスズの葉は基部が円形で、葉身は楕円状披針形です。
両者の特徴がよく出た典型品で比べました。
以上のことから、葉裏無毛のイナコスズは、サイヨウザサとイナコスズの交雑の結果生まれた可能性があると思います。

サイヨウザサは、おそらく細腰笹で、細腰とは古語で美人のことです。全ての器官に毛がなく、葉も稈も細いことからべっぴんさんのササと言う意味でつけられた洒落た名称です。

掘って地下茎の連結を確かめたことなどもあるのですが、今日の所はここまで。

Re: サイヨウザサとイナコスズと葉裏無毛のイナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/24 (Tue) 05:32:15
イナコスズは2年生以上の枝につく古い葉でも、葉裏の毛はよく残っています。
早期に脱落することはありません。

上の画像で示したような、通常タイプと葉裏無毛タイプが混生している場所で、地下茎の連結を確かめるため、2つのタイプの株を起点にして、それぞれ2mほどの長さの地下茎をつなげて掘ってみました。
その結果、通常タイプは通常タイプとのみ、葉裏無毛タイプは葉裏無毛タイプとのみ連結していました。
地下茎の連結は、寿命や障害などで切れることもあり、観察例も少ないですが、1つの状況証拠にはなっています。


Re: サイヨウザサとイナコスズと葉裏無毛のイナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/24 (Tue) 07:16:16
『日本のタケ亜科植物』ではイナコスズの異名同種として、フタタビコスズ(1948年 小泉源一の記載)の他に、オウミコスズ(1942年 小泉源一の記載)、ケバノカシダザサ(1942年 小泉源一の記載)などと共に、サイヨウイナコスズ(1942年 小泉源一の記載)も挙げられています。
興味深い和名です。

Re: サイヨウザサとイナコスズと葉裏無毛のイナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/24 (Tue) 07:21:31
この上の地下茎の連結を確かめた所の画像の説明を忘れていました。
この画像は、サイヨウザサとイナコスズの通常タイプと葉裏無毛タイプが混生している様子です。
じっくり現場で見ても、サイヨウザサを見分けるのは容易ではありません。

Re: サイヨウザサとイナコスズと葉裏無毛のイナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/27 (Fri) 22:42:38
葉裏無毛のイナコスズとサイヨウザサの、葉の形以外の相違点を挙げます。
葉裏無毛のイナコスズには小さな放射状の肩毛があります。
イナコスズも同様です。
サイヨウザサは、通常肩毛が発達しません。
画像は、9月上旬に撮影した、1年生の葉裏無毛のイナコスズの肩毛です。
早期に脱落するらしく、ほとんどの株には残っていませんでした。

Re: サイヨウザサとイナコスズと葉裏無毛のイナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/27 (Fri) 22:50:08
他には、葉裏無毛のイナコスズとイナコスズには、節に長毛があり、稈鞘を被っていない部分の稈の表面に、逆向きの細毛があります。
サイヨウザサは、どちらの部分も無毛です。
画像は、1年生の葉裏無毛のイナコスズの、節と稈鞘を被っていない部分の稈を写しています。
節の毛は2年生以上の稈や枝でも、それなりに残っています。
やはり撮影は9月上旬です。

Re: サイヨウザサとイナコスズと葉裏無毛のイナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/27 (Fri) 22:53:29
この画像は、イナコスズの節と、稈鞘を被っていない部分の稈の表面の毛の様子を写しています。
9月上旬の撮影です。

Re: サイヨウザサとイナコスズと葉裏無毛のイナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/27 (Fri) 22:58:01
この画像は、1年生の葉裏無毛のイナコスズの節の毛のさまを写しています。
開いた毛と寝た毛があります。
節の下部の稈鞘が長く、節に被っています。
稈上部の節ではしばしば見られることです。
9月上旬の撮影です。

Re: サイヨウザサとイナコスズと葉裏無毛のイナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/28 (Sat) 06:25:49
稈鞘の縁の毛が、イナコスズと葉裏無毛のイナコスズでは、顕著に長く、指で稈鞘に触れるとそれと分かります。
サイヨウザサの稈鞘の縁の毛は、1㎜もないほど短く、触れてもそれを感じることはありません。
画像は9月上旬撮影の、葉裏無毛のイナコスズの稈鞘の縁の毛です。

Re: サイヨウザサとイナコスズと葉裏無毛のイナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/30 (Mon) 22:19:53
この3者混生地での、サイヨウザサのみからなる群落はこんな様子です。

Re: サイヨウザサとイナコスズと葉裏無毛のイナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/30 (Mon) 22:22:59
この画像は、サイヨウザサと葉裏無毛のイナコスズの混生状態を写しています。
赤い4つの矢印の示すのが葉裏無毛のイナコスズで、それ以外のササの葉は、全てサイヨウザサです。

Re: サイヨウザサとイナコスズと葉裏無毛のイナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/30 (Mon) 22:31:47
この画像は、3者(3種としていいかどうかは不明なので、とりあえず3者 としています)の混生状態を写しています。
1つの青い矢印がイナコスズを、2つの赤い矢印が葉裏無毛のイナコスズを示しています。
それ以外のササの葉は、全てサイヨウザサです。
葉裏無毛のイナコスズとイナコスズの違いは、今の所分かっている範囲では、葉裏の毛の有無だけです。
サイヨウザサとその両者の違いは既に述べました。
見慣れれば、葉の幅の細い太いでそれなりに見当がつきますが、紛らわしい時は、節の毛で判断出来ます。

Re: サイヨウザサとイナコスズと葉裏無毛のイナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/12 (Sat) 15:40:38
サイヨウザサとイナコスズと葉裏無毛のイナコスズの混生地は、神戸市北区の修法ヶ原(しおがはら)池の北側にありますが、その周辺での3者の分布状況を地図で表したのがこの画像です。
赤いギザギザ線がイナコスズ、青いギザギザ線が葉裏無毛のイナコスズ、紫のギザギザ線がサイヨウザサの分布域を示しています。
サイヨウザサの群落の周縁部分で3者が混生しています。
サイヨウザサの群落を境目にするかのように、その南側にはイナコスズ、北側には葉裏無毛のイナコスズが分布しています。
洞川(どうがわ)湖と修法ヶ原池をつなぐ、仙人谷には、ごく少数の葉裏に毛のある、通常タイプのイナコスズも分布しており、修法ヶ原池の西側でもごく少数の葉裏無毛のイナコスズを確認していますが、全体的な3者の分布状況は上に述べた通りです。
丸山湿原周辺のアリマコスズと同様に、イナコスズも水の側の湿った場所を好むようです。
地図の右下に再度山(ふたたびやま)と書かれ、山の記号がありますが、その辺りが再度山の山頂になります。

Re: サイヨウザサとイナコスズと葉裏無毛のイナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/12 (Sat) 15:43:45
この画像は、洞川湖の南側(上の分布図のA地点)にある、水のすぐ側の葉裏無毛のイナコスズを写しています。

Re: サイヨウザサとイナコスズと葉裏無毛のイナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/12 (Sat) 15:47:26
この画像は、洞川湖の北西(上の分布図のB地点)の葉裏無毛のイナコスズを写しています。
川の流れを西にたどって探しましたが、ここより西では見つかりませんでした。

Re: サイヨウザサとイナコスズと葉裏無毛のイナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/12 (Sat) 15:54:24
この画像は、アカマツの樹皮の隙間を登るサイヨウザサです。
サイヨウザサの群落の中で見られます。
一見すると、1本の枝先に5枚の葉がついているようにみえますが、よく見れば、3枚の葉をつけた枝と2枚の葉をつけた枝がくっついています。
サイヨウザサで、1本の枝先に4枚以上の葉をつけているものを見つければ、ちょっとした発見です。

アオコウガイゼキショウ (ホソバノコウガイゼキショウ)のページ

  • ヒロシマジン
  • 2019/10/02 (Wed) 16:19:44
はじめまして。
広島県で植物に興味がある者です。
直接、植物に関係のある質問ではなくて申し訳ないのですが、
アオコウガイゼキショウ (ホソバノコウガイゼキショウ)のページで、種子の写真などに全面にメモリのある定規?が写っていたのですが、どこかに市販されている物なのですか?
宜しくお願いいたします。

Re: アオコウガイゼキショウ (ホソバノコウガイゼキショウ)のページ

  • 神戸の望月
  • 2019/10/02 (Wed) 23:18:58
ヒロシマジン様

初めまして望月と申します。
おたずねのものは、製図用のテンプレートではないかと思います。
楽天やアマゾンなどで購入できます。

Re: Re: アオコウガイゼキショウ (ホソバノコウガイゼキショウ)のページ

  • ヒロシマジン
  • 2019/10/04 (Fri) 08:19:23
神戸の望月様

ありがとうございます。
やはりそうでしたか。
探したのですが、写真のようにしっかりメモリが入ったものが見つけられなかったもので、もしかしたら別のものなのかと思ったのですが。
再度探して見ます。
ありがとうございました。

崖地のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/28 (Sat) 23:35:03
神戸市西区の照葉樹林でサイヨウザサに出会いました。
山の端の切り立った崖地にある、百数十株の小規模群落です。
この画像は、30度くらいの斜面に生えるサイヨウザサの群落を写しています。
どんぐりの木の落ち葉に半ばうずもれたサイヨウザサは、今まで見た2ヵ所のサイヨウザサよりは、葉のサイズも一回り小さいです。

Re: 崖地のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/28 (Sat) 23:38:00
この画像の右上に写っているのは、ウバメガシの大木で、30度ほどの斜面に生え、幹が斜上しています。
写っているササは全てサイヨウザサです。

Re: 崖地のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/28 (Sat) 23:39:26
垂直近い斜面の部分にも生えていました。

Re: 崖地のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/28 (Sat) 23:40:32
ここも同じような環境です。

Re: 崖地のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/28 (Sat) 23:41:50
礫が露出した所でも生育しています。

Re: 崖地のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/28 (Sat) 23:53:02
この場所は、落ち葉がたまらないため、土の栄養状態も悪く、草本やシダの姿は見えません。
競争相手は少ない利点があって、生育出来ればそれなりに存続可能なようです。
崩落する頻度も高いはずですが、クローナル植物の強みで、多少土砂に押し流されても、地下茎が生き残れば、そこからまた再生しているのかも知れません。
この場所は、照葉樹林の林縁で、側に一定の水量がある川もあり、光や水分の条件はまずまずです。

今日のところは、ここまでです。

Re: 崖地のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/29 (Sun) 08:46:03
3つの標本を示します。
この標本では、最下の分枝節では外鞘的に分枝し、他の2つの分枝節では移譲的に分枝しています。

Re: 崖地のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/29 (Sun) 08:47:44
上の画像の外鞘的分枝様式の拡大画像です。

Re: 崖地のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/29 (Sun) 08:50:56
この標本は、3つの分枝節全てで、外鞘的に分枝しています。
こうした外鞘的な分枝は例外的なもので、おおむねこの群落のサイヨウザサは移譲的に分枝しています。

Re: 崖地のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/29 (Sun) 08:52:14
上の画像の分枝節①の拡大画像です。

Re: 崖地のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/29 (Sun) 08:55:49
分枝節②の拡大画像です。
上の拡大画像と、この画像に写っている稈が白っぽいのは、その部分が落ち葉に埋もれ、日光を受けていないためです。

Re: 崖地のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/29 (Sun) 08:57:07
分枝節③の拡大画像です。

Re: 崖地のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/29 (Sun) 08:58:45
この標本は、分かれた枝の多い例です。

Re: 崖地のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/29 (Sun) 09:00:00
葉の長さは、最大で12㎝くらい、

Re: 崖地のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/29 (Sun) 09:01:08
幅は、約2.3㎜です。

Re: 崖地のサイヨウザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/29 (Sun) 09:11:43
サイヨウザサは、『日本のタケ亜科植物』によると、「九州と西日本に稀に産する。」として、分布図では鹿児島と兵庫県南東部、そして栃木県日光市(小林先生の発見)に1つずつ点が打ってあります。
ネット情報では、広島県の沿岸部にも稀にあるようで、広島県RDBでは、準絶滅危惧種に指定されています。
鹿児島では、現状は不明のようです。
これだけの産地がある兵庫県は、サイヨウザサの分布を考える上で重要な位置を占めています。

花の名前を教えてほしい

  • 巽 克弘
  • E-mail
  • 2019/09/24 (Tue) 09:12:16
2019年9月2日生駒山山頂より宝山寺への途中で、撮りました。
ずっと調べていますが、まつたく分かりません。
背丈は足首ぐらいで、つる性らしく思います。
花に、毛が沢山あります。
よろしくお願いいたします。

Re: 花の名前を教えてほしい

  • 神戸の望月
  • 2019/09/25 (Wed) 21:32:04
巽 克弘様

初めまして、望月と申します。
ご質問の植物は、ガガイモだと思います。
人里近くでよく見かける植物で、河原などではつるを長く伸ばして、辺り一帯を覆っていることもしばしばです。
ガガイモに関しては、ネット情報も豊富にあります。
スクナヒコナノミコトがガガイモの果実の「片割れ」の船に乗って、オオクニヌシノミコトの前に現れた話が『古事記』に出て来ること、ケサランパサランは実はガガイモの長い種髪をつけた種子ではないかということ、長い種髪がかつて綿の代用として印肉や針さしなどに用いられたこと、異名が30以上あること、新芽や若い果実は天ぷらなどで食べられること、などが検索すると分かります。

画像は、枝先に4枚の葉を付けたイナコスズです。
イナコスズは、通常は1本の枝先に2~3枚の葉をつけ、4枚のものはなかなか見つかりません。
こんなものがと思われるかも知れませんが、私にはお宝画像です。

太山寺付近のイヌクグ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/22 (Sun) 22:40:08
神戸市西区の古刹太山寺は、明石海峡から7㎞ほど離れた場所に位置します。
その太山寺の南側に隣接した、須磨区弥栄台4丁目は、山を切り開いて造成した所で、企業の大きいビルが立ち並んでいます。
長距離トラック・ドライバーが昼寝によく利用する所で、何10台もの大型トラックが路上でしばしば停車しています。
そんな弥栄台4丁目の一角に公園があります。
そしてその公園のなかに、イヌクグが生えています。
イヌクグは、海岸部に生育するカヤツリグサ科の植物です。(マツモムシさんのイヌクグの頁をご参照下さい。)
移入などではなく、開発にも滅びず、おそらく縄文海進の置き土産として、しぶとく生き残っている自生種だと思います。
神戸市東灘区でも、海岸線から4㎞ほど離れた川沿いの公園に、イヌクグの群落があり、やはり縄文海進の「証拠」だと考えられます。
京都府RDBでは、イヌクグは絶滅危惧種に選定されています。
京都では、2000年に初めて内陸部で確認され、山城地域の自生地は、海鳥コアジサシの繁殖地でもあり、全国的には普通種であるが、学術的な価値があると光田先生のコメントが書いてあります。
海岸から7㎞では内陸部ではありませんが、海進の名残としての学術的な価値は、須磨区弥栄台の公園のイヌクグにもあると思います。
太山寺の原生林の学術的な価値については、今更言うまでもありませんが、そのすぐ側の、開発された地域の公園のイヌクグも、静かにその存在価値を主張しています。

丸山湿原周辺のアリマコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/16 (Mon) 21:44:10
兵庫県宝塚市の丸山湿原は湧水湿原としては、県下最大規模を誇り、植生も豊かなため、兵庫県の天然記念物に指定されています。
その丸山湿原の周辺にアリマコスズの万単位の群落があり、それを今月上旬、観察しに行きました。
保全の会の代表をされている今住(いまずみ)氏が、管理者である県の環境局に言って下さり、標本採集の許可を頂き、当日案内をして下さいました。
そのご親切に対して深くお礼を申し上げます。

丸山湿原の案内図に赤いジグザグ線で大まかなアリマコスズの分布域を示したのがこの画像です。
丸山の山麓を取り囲んで川があり、西に位置する大岩ヶ岳の方から、2筋の川が流れ込み合流しています。
分布図を見て頂けば分かるように、丸山の北側の川、北西の川、大岩ヶ岳からの2筋の川の流域に沿って、アリマコスズは分布しています。




Re: 丸山湿原周辺のアリマコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/16 (Mon) 21:47:37
大岩ヶ岳方面から流れて来る川の両側すぐは、ほとんど草刈りをされていない所もあって、人為的攪乱のない、野生本来に近い姿のアリマコスズの群落が見られます。

Re: 丸山湿原周辺のアリマコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/16 (Mon) 21:49:49
湿原への山道沿いでも、あまり刈られていない所では、よく育った大きい株があります。

Re: 丸山湿原周辺のアリマコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/16 (Mon) 22:08:46
一方、定期的に刈られている道沿いでは、矮小化した群落があります。
画像はそんな群落を写しています。

湿原内でも、広大な範囲なのに、駐車場から湿原に続く山道沿いも定期的に枝打ちや草刈りを保全の会の皆さまがされているそうです。
そのご苦労は並大抵ではないと思います。
アリマコスズは、この場所ではネザサと混生していることが多く、ネザサが優勢な所では、小型のササなので劣勢を強いられています。
刈られて矮小化しても、しぶとく生き残っています。
草刈りをやめれば、簡単には滅びないまでも、今より数は減って行くと思われます。
保全活動には、人の選択的意志が働いています。
サギソウやカキランを残すことに異存のある者は、まずないでしょう。
ササに関しては、邪魔者ネザサと言ったイメージが強くあり(また実際にそうですが)、珍しいササと言っても世間一般の関心は低いものです。
アリマコスズは神戸市北区が基準産地で、古い文献では、兵庫県南東部に複数の自生地が記されていますが、現在はっきりと分かっている自生地は、私の知る限り丸山湿原周辺だけです。
最近神奈川県でも見つかり、ネット情報では広島や愛媛にも分布するようですが、これだけの数のアリマコスズがある一大産地は兵庫県の誇るべきものです。

Re: 丸山湿原周辺のアリマコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/16 (Mon) 22:21:32
アリマコスズは、川の側から、両側に迫る山の斜面にも及んで分布していますが、川から10数メートルくらい離れた所で、群落は途切れています。
杉の植林地もありますが、おおむね明るい落葉樹林が多い場所で、林床も林縁と比べて格段に暗くならないのに、分布が林床内部に及んでいないのは、やはりアリマコスズが適度な湿り気を好むためでしょう。

ここからアリマコスズの特徴を確認していきます。
アリマコスズは、スズザサ属の小型のササです。
ズズとは古語で、笹や竹の総称です。
稈の高さは、最大で50㎝ほど、直径はおよそ2~3㎜です。
この画像の標本は、稈高50㎝くらい、各節で移譲的に1本の枝を出しています。

Re: 丸山湿原周辺のアリマコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/16 (Mon) 22:25:02
上の画像の移譲的分枝様式①の拡大画像です。
稈から枝に、稈鞘が移ったように動いています。
他の分枝節も全て移譲的です。
移譲的分枝様式はスズザサ属の特性です。

Re: 丸山湿原周辺のアリマコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/16 (Mon) 22:27:29
アリマコスズの葉の長さは、20㎝前後のものが多いです。
先端が徐々に細くなる楕円状披針形です。

Re: 丸山湿原周辺のアリマコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/16 (Mon) 22:28:55
葉の幅は、4~5㎝くらいのものを多く見ます。

Re: 丸山湿原周辺のアリマコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/16 (Mon) 22:32:44
葉の表面には光沢があり、厚くはないものの張りがあって、図鑑などでは紙質となっていますが、500枚以上は触った結果、私は薄めの革紙質と呼びたいです。

Re: 丸山湿原周辺のアリマコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/16 (Mon) 22:34:42
葉裏は無毛。

Re: 丸山湿原周辺のアリマコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/16 (Mon) 22:35:55
稈鞘の長さは節間より短い。

Re: 丸山湿原周辺のアリマコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/16 (Mon) 22:37:11
稈鞘には開出長毛が密生。

Re: 丸山湿原周辺のアリマコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/16 (Mon) 22:38:33
葉鞘にも細毛が生え、

Re: 丸山湿原周辺のアリマコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/16 (Mon) 22:39:42
肩毛は放射状によく発達します。

Re: 丸山湿原周辺のアリマコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/16 (Mon) 22:42:26
次にスズザサ属では時々見られる、移譲・外鞘混合型がいくつかみつかったので、紹介します。
この標本では、最下の分枝節で外鞘的に分枝し、それ以外では移譲的に分枝しています。

Re: 丸山湿原周辺のアリマコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/16 (Mon) 22:43:37
上の画像の外鞘的分枝様式の拡大画像です。

Re: 丸山湿原周辺のアリマコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/16 (Mon) 22:45:08
この標本では2つの節で、外鞘的に分枝しています。

Re: 丸山湿原周辺のアリマコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/16 (Mon) 22:46:19
上の画像の外鞘的分枝①の拡大画像です。

Re: 丸山湿原周辺のアリマコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/16 (Mon) 22:47:18
外鞘的分枝②の拡大です。

Re: 丸山湿原周辺のアリマコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/16 (Mon) 22:49:19
アリマコスズは、今年出た葉の光沢も美しいですが、葉の隈取も楽しめます。

Re: 丸山湿原周辺のアリマコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/16 (Mon) 22:55:03
赤や黄色や褐色や隈取のある葉のついた、アリマコスズの枝を集めて束ねました。
竜田姫に捧げるブーケです。

最初の投稿で、県の環境局と書きましたが、正しくは県民局環境課です。お詫びして訂正します。

Re: 丸山湿原周辺のアリマコスズ

  • 水田光雄
  • 2019/09/17 (Tue) 22:15:45
望月様

お疲れ様です。
9月6日の当日は仕事で休めず、同行できなくて申し訳ありませんでした。
当日の状況は、今住から聞いております。私は、西谷へは25年程前から植物観察をしています。当時からアリマコスズの事は聞いており、丸山でも観察会の時等には説明しております。最初に教わったのは確か、宝塚自然保護協会の方だったと記憶しております。標本が人博に入っていなかったとは知りませんでした。所属の兵庫植物同好会等の観察かを実施しており、黒崎先生も参加され標本は採集され標本庫に収められているものと思い込んでおりました。私は西谷地区の植物採集はしており、頌栄経由で人博にも収めています。また、手元にも保有していますが、アリマコスズは採集していませんでした。
ご投稿の記事を拝見して、大変勉強になりました。
マツモムシさんのHP掲示板を、この様な状態で利用させてもらい、少々心苦しく思いますが、今後ともご指導よろしくお願いします。

Re: 丸山湿原周辺のアリマコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/18 (Wed) 23:09:00
水田様

初めまして、望月です。
人博の標本は来月見に行く予定です。
アリマコスズも確認して来ます。
黒崎先生によると、ササ類の標本は、未整理で、配架されていないものが多いそうです。
同定が難しいのがその理由の一つだと思います。
私も小林先生の『日本のタケ亜科植物』に出会っていなかったら、ササの観察をしていなかったと思います。
高価な図鑑なので、買って下さいとは言いにくのですが、私のような駆け出しの素人でも、初めて出会ったヒメカミザサやサイヨウザサの同定が比較的容易に出来たのは、ひとえにこの図鑑のおかげです。

今住さんに、内鞘的、移譲的、外鞘的の3つの分枝様式のサンプルをお渡ししたので、それをご覧になって説明を聞いて下されば、私の雑文が分かりやすくなると思います。
2,3年前の私の投稿をさかのぼって見て下されば、分枝様式についても説明しています。
2016年に小林先生が発表された新しい考え方です。
古い文献に記載されている、兵庫県南東部のアリマコスズの産地のいくつかでは、今も絶えずに残っている可能性が高いです。
明確な分類形質を知って、熱心に探しているものが少ないだけだと思います。

アリマコスズは漢字で書くと有馬小篶です。
篶は見慣れない難しい漢字ですが、音読みのエンで変換すると出てきます。
「すず」とは、ササ類の古名です。つまりコスズとは小型のササを意味します。
他にもササ類の古名で、「篠(しの)」があり、こちらは人名などで今も見かける言葉です。
ササ類の和名では、ネザサのようにササがつくものが多いですが、アリマコスズ、セトウチコスズ、ツクバナンブスズのようにスズがつくもの、そしてハコネシノ、カリワシノのようにシノがつくものもいくつかあります。

『新古今和歌集』に「すず」を詠んだ歌があります。

 こよひ誰
 すず吹く風を
 身にしめて
 吉野の嶽(たけ)の
 月を見るらん

画像は、ササクサとアリマコスズの2ショットです。 

Re: 丸山湿原周辺のアリマコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/09/20 (Fri) 06:51:24
アリマコスズは、ミヤコザサに似ていると書かれていることがあります。
丸山湿原の、第1湿原の東側にある散策路の、北の方の両側に生えている小型のササ(定期的な草刈りにより矮小化している)、そして第2湿原と第1、第3湿原を繋ぐ散策路沿いに生えているササ(こちらも矮小化しています)は、ミヤコザサあるいは複合体です。
ミヤコザサは葉の表面に光沢がありません。
その点だけでもアリマコスズとは異なります。
数年を経た古い葉では、アリマコスズも葉の表面の光沢がなくなります。
そうした場合は、枝先につく葉の枚数を数えます。
ミヤコザサは純粋種でも複合体でも、1本の枝先につく葉の数が4~6枚くらいのことが多いです。
アリマコスズは、1本の枝先に2~3枚の葉をつけます。
もしアリマコスズで1本の枝先に4枚以上の葉をつけているものを見つけたら、ちょっとした発見です。
他にも多くの相違点がありますが、この2点だけでも区別は容易です。
画像はササユリとアリマコスズの2ショットです。