(投稿前に、内容をプレビューして確認できます)

ヤマウズグモの隠れ帯

  • 神戸の望月
  • 2019/08/16 (Fri) 21:46:28
先日ロッコウミヤコの観察をしている時に、久しぶりにヤマウズグモの隠れ帯を見ました。
隠れ帯は、専門的には白帯(はくたい)とも呼ばれますが、私はどこかゆかしい語感のある、隠れ帯と言う語が好きです。
画像では、第3脚が短いこと、腹部が丸っこいこと、体色が暗いことくらいしか分かりませんが、腹部に数対の白班があることなどからヤマウズグモの雌だと思います。
隠れ帯の説明を、『クモ ハンドブック』(2015 馬場友希 谷川明男 / 文一総合出版)から、はしょって引用します。原文のままでない語もあります。

ウズグモやコガネグモなどの円網グモの中には、隠れ帯という糸でできた装飾物を網上に作るものがいます。その模様は、Xの形や渦巻きなど幾何学的な形をしており、芸術的です。
隠れ帯の機能については諸説あります。その中で最も支持されているのが、獲物となる昆虫を網におびき寄せ、網にかかる獲物の量を増やすという機能です。
隠れ帯は太陽光を受けて紫外線をよく反射するため、紫外線に誘因される性質がある一部の昆虫が網に引き寄せられると考えられています。実際、隠れ帯をつけた網とそうでない網の捕獲数を比べると、隠れ帯がついた網のほうにより多く昆虫が捕獲されることがわかっています。
同種のクモでもすべての個体の網にいつでも隠れ帯がある訳ではありません。これは隠れ帯を作ることで、獲物だけでなく、クモを食べるハチなどもおびき寄せる恐れがあるためです。
ところが、あるコガネグモの仲間では、隠れ帯のある網のほうが獲物の捕獲数が少ないこともあり、それは捕食者から身を守るという別の役割があると考えられています。(まさに隠れ帯)
隠れ帯の役割は、1つだけではなく、クモの種、あるいは生息する環境によっても異なるのかも知れません。

神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/10 (Sat) 20:57:15
神戸市立森林植物園にイヌトクガワザサがありました。
職員の福本市好氏によると、クマザサとして植栽したものだそうです。
福本氏のご厚意で、標本採集の許可も頂きました。
改めて感謝いたします。
イヌトクガワザサはアマギザサ節のササで、兵庫県では、未確認種のようです。
アマギザサとはイブキザサの異名で、アマギザサ節の種では、伊吹山を基準産地とするイブキザサが最もよく知られています。
イヌトクガワザサは広島や京都などに分布し、兵庫県にある確率は低くないと思います。
私が森林植物園で観察したイヌトクガワザサは、稈高が最大で130㎝、稈の直径は5㎜ほど、皮質~皮紙質の葉は両面無毛で表面には光沢があり、長さは25㎝、幅が5㎝くらいのものが多く、枝先に4~5枚ついています。
稈の中部以上で盛んに1節から1本の枝を、内鞘的に出している株が多く、稈基部付近から分枝しているものもあります。
稈鞘は開出長毛が密生し、節の膨らみは少し目立つ程度、節にも開出長毛が密生しています。
稈鞘の長さは、中部以上では、節間と同長くらい、中部以下では節間より短いものが多いです。
葉鞘は無毛、葉舌は低い山形、肩毛は放射状です。
以上の特徴を、小林幹夫先生に伝え、イヌトクガワザサで間違いないでしょうと言う御返事を頂きました。

画像は、森林植物園のイヌトクガワザサの群落の一部です。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/10 (Sat) 21:00:25
ここからイヌトクガワザサの特徴を確認します。
まずは稈全体のプロフィールです。
この標本は稈高100㎝ほどで、中部以上で盛んに内鞘的に分枝しています。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/10 (Sat) 21:02:16
分枝様式は内鞘的です。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/10 (Sat) 21:03:53
葉裏は無毛。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/10 (Sat) 21:05:03
葉舌は低い山形で、葉鞘は無毛。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/10 (Sat) 21:06:07
肩毛は放射状。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/10 (Sat) 21:07:15
稈鞘は開出長毛が密生。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/10 (Sat) 21:08:59
節にも開出長毛が密生し、節の膨らみは少し目立つ程度です。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/10 (Sat) 21:15:10
よく手入れされた群落の、他種とあまり混生していない部分はなかなか見応えがあります。
兵庫県で今の所、おそらく唯一、イヌトクガワザサを、アマギザサ節のササを見ることが出来る神戸市立森林植物園です。

Re: 神戸市立森林植物園のイヌトクガワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/10 (Sat) 21:45:18
ササ属アマギザサ節のササは、イヌトクガワザサ以外に、イブキザサ、サイゴクザサ、ミアケザサ、ミヤマクマザサ、トクガワザサ、マキヤマザサ、ミネザサの7種が、『日本のタケ亜科植物』に掲載されています。
全て、兵庫県では未確認のようです。
『日本のタケ亜科植物』によると、アマギザサ節は、
「中国地方では、山地帯から太平洋沿岸部まで優占し、奈良・三重県境にいたる。西限の韓国チェジュ島ハルラ山に出現するタンナザサから、日本列島の中央構造線、伊豆諸島の御蔵島までの島嶼、関東地方では美濃・足尾帯、東北地方では棚倉構造線沿いの古い地層の地域を中心に対馬、隠岐諸島~新潟佐渡島、柏崎市にかけての日本海側、蔵王山麓から礼文島まで分布する。」
と言うことです。
兵庫県でもありそうです。
画像は、1年生のイヌトクガワザサの稈です。
稈の3分の1以下の高さでは、稈鞘が節間と同長かそれ以下、3分の2以上では節間より長いです。

ウリノキとアズチグモ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/07 (Wed) 21:57:36
先日、イヌトクガワザサの観察に行った途中で、葉の形に著しい変異のあるウリノキに出会いました。
通常ウリノキの葉は3裂あるいは5裂していますが、その木の葉は、もっと多く切れ込み、左右非対称にゆがんだものがたくさんありました。

Re: ウリノキとアズチグモ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/07 (Wed) 21:59:43
そうかと思えば、不分裂葉や、片側だけに切れ込みがある葉も同居しています。

Re: ウリノキとアズチグモ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/07 (Wed) 22:02:14
花期は終わりかけで、よく結実していましたが、蕾と花も少しありました。

Re: ウリノキとアズチグモ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/07 (Wed) 22:15:36
そして、アズチグモがウリノキの葉裏に居ました。
アズチグモは、本州中部以南に生息するカニグモ科アズチグモ属のクモです。
巣を張らない徘徊性のクモで、花の側に潜んで、花に来る昆虫をハナグモ同様に捕食します。
白い花の側に潜む場合の体色は白で、黄色い花の側に潜む場合は、体色を黄色に変化させる能力を持っています。
ゴーグルをかけたかのような眼域も小さいハンターにふさわしい特徴です。
花の側に潜む所は撮影できませんでしたが、ウリノキの花の白さを利用するために訪れていたに違いありません。

ヒメカミザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/31 (Wed) 21:01:51
六甲山の某所に、ヒメカミザサが生えていました。
数百の稈からなる小規模群落です。
草刈りが行われる所のものは、稈高が1mほど、そうでない場所のものは、稈高が1.5mほどになる大型のササで、稈の直径の最大値は6㎜くらいです。
稈の基部付近と中部以上で、盛んに1節より1枝を移譲的に出しています。
稈鞘、葉鞘は無毛、稈鞘は節間より長いか同長のことが多く、稈鞘の先端にある葉片の大きさが目を惹き、節の膨らみはほとんど目立ちません。
葉の長さは25㎝ほど、幅は5~6㎝くらいで、両面ともに無毛、表面には光沢があり、側脈が新葉でも前年の葉でも目立ち、葉の質は皮質です。
以上の特徴を、小林幹夫先生に伝え、ヒメカミザサで間違いないとお墨付きを頂きました。
ヒメカミザサは、『日本のタケ亜科植物』では、岩手県と宮城県そして伊豆大島だけで分布が確認されていることになっています。
伊豆大島も宮城県からかなり離れていますが、そこから西では初めて、六甲山で分布が確認されたようです。
「ヒメカミ」は、おそらく基準産地の岩手県姫神山に由来するのだと思います。

画像はヒメカミザサの群落の一部を写しています。
葉の表面に光沢があり、側脈が目立っています。

Re: ヒメカミザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/31 (Wed) 21:04:04
以下に上記の特徴を確認していきます。
まず、前年の葉も側脈が目立つことの確認です。

Re: ヒメカミザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/31 (Wed) 21:07:13
画像中央にある3枚の葉は、長さが23㎝~25㎝、幅は5~6㎝ほどです。
葉は枝先に3枚~5枚くらいついていることが多いです。

Re: ヒメカミザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/31 (Wed) 21:09:18
葉裏は無毛です。

Re: ヒメカミザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/31 (Wed) 21:10:44
これは標本に採った稈です。
中部以上でよく分枝しています。

Re: ヒメカミザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/31 (Wed) 21:12:39
分枝様式は移譲的です。

Re: ヒメカミザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/31 (Wed) 21:14:15
稈鞘は無毛。

Re: ヒメカミザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/31 (Wed) 21:18:34
葉鞘も無毛、葉舌は低い山型~切形です。

Re: ヒメカミザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/31 (Wed) 21:21:20
稈鞘の長さは、節間と同長か、やや長いことが多く、葉片の大きさが目を惹き、節の膨らみはほとんど目立ちません。

Re: ヒメカミザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/31 (Wed) 21:23:52
稈鞘が節間よりやや長いか同長のため、1年生の稈では、稈全体が稈鞘に覆われていることがほとんどです。
画像は、1年生の稈です。

Re: ヒメカミザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/02 (Fri) 22:30:45
少数ですが、稈鞘が節間の3分の2くらいの長さの稈もあります。

Re: ヒメカミザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/02 (Fri) 22:35:34
ヒメカミザサでも、移譲・外鞘混合型の株がいくつか見つかりました。
3例を示します。

この株は、露出した地下茎から稈が立ち上がっていて、基部から上部まで各節でよく分枝しています。
赤い矢印で図示した分枝節でのみ、外鞘的な分枝が見られます。

Re: ヒメカミザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/02 (Fri) 22:39:29
上の画像の外鞘的分枝様式の拡大画像です。
節間より長い下部の稈鞘が節を越えてかぶっていますが、その内側で、外鞘的に分枝しています。

Re: ヒメカミザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/02 (Fri) 22:42:29
この標本に採ったヒメカミザサは、稈基部と中部で1回、上部で2回分枝しています。
赤い矢印でしめした節でのみ、外鞘的分枝様式が見られます。

Re: ヒメカミザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/02 (Fri) 22:43:29
上の画像の外鞘的分枝様式の拡大画像です。

Re: ヒメカミザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/02 (Fri) 22:45:12
このヒメカミザサは、上部が折れた稈の中部から外鞘的に分枝しています。

Re: ヒメカミザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/02 (Fri) 22:47:50
上の画像の外鞘的な分枝の拡大画像です。

Re: ヒメカミザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/08/02 (Fri) 23:23:52
『岩手県立博物館だより』2012年3月号(№132)に掲載された興味深い話を紹介します。
私が簡略に編集した文章です。原文のままではありません。

2011年3月11日の大津波で陸前高田市立博物館も大きな被害を受け、収蔵資料が海水と砂泥で汚れました。
そのうちの押し葉標本の大半は、岩手の博物学者、鳥羽源蔵が明治から昭和初期に採集した、貴重なものでした。
救出された標本の洗浄と復元に、北海道から九州まで全国29か所の博物館等が協力し、約1万5千点の標本全てが復元される見込みになりました。
きれいになった標本が続々と戻ってきています。
その中に、ヒメカミザサのアイソシンタイプがありました。
シンタイプとは、記載論文に1点だけ明示されたホロタイプがなく、論文中に引用、指定された複数の標本のことを言います。
そしてアイソシンタイプとは、シンタイプの重複標本(同種を複数採った標本)のそれぞれを指します。
ヒメカミザサは、鳥羽源蔵が盛岡市の姫神山で採集した標本などをもとに、小泉源一が1936年に記載しました。
小泉は複数の標本を引用したので、タイプ標本はシンタイプとなっています。
洗い直して出て来たのが、その重複標本、すなわちアイソシンタイプでした。

画像はロッコウミヤコと混生するヒメカミザサです。

六甲山のイナコスズ②

  • 神戸の望月
  • 2019/07/27 (Sat) 21:15:48
先日六甲山のイナコスズの自生地で、数年ぶりに偶然知人に出会いました。
イナコスズをしばらく一緒に観察して別れた後、知人は更に歩いて探して下さり、その情報を教えて頂きました。
自生地を再訪し、その情報を確認し、より広く探索すると、新たにまたいくつかの群落が見つかりました。
全ての群落を合わせると、稈の総数は数万はありそうです。
この画像の群落は、高さが40㎝以上の稈が数千はあって、他種と競合しながら一定の勢力を保っています。

Re: 六甲山のイナコスズ②

  • 神戸の望月
  • 2019/07/27 (Sat) 21:20:20
この画像の標本は、上の画像の群落で採りました。
分かれた枝は、母稈に寄り添うように、鋭角に伸びています。
これはイナコスズの特徴の1つです。
先日の標本の画像でも、確認出来ます。

Re: 六甲山のイナコスズ②

  • 神戸の望月
  • 2019/07/27 (Sat) 21:22:32
葉の表面に光沢があることは、すでに述べましたが、葉にしわが多いことも特徴の1つです。
これは今年展開した新葉です。

Re: 六甲山のイナコスズ②

  • 神戸の望月
  • 2019/07/27 (Sat) 21:26:57
前年の葉でもしわが多いです。(この画像は前年の葉です。)
葉の質が紙質と言うのは、薄さの表現であって、必ずしも柔らかさを意味しません。
イナコスズの葉は、触れると海苔のようにぱりっとしています。
そして特に新葉では、葉の先端が垂れ下がっていることがしばしばです。

Re: 六甲山のイナコスズ②

  • 神戸の望月
  • 2019/07/27 (Sat) 21:31:46
節は上部がわずかに膨らみます。

Re: 六甲山のイナコスズ②

  • 神戸の望月
  • 2019/07/27 (Sat) 21:34:07
稈鞘は無毛ですが、ごくまれな例外として、節の辺りと稈鞘のかぶっていない稈に、開出する長毛が散生することがあります。

Re: 六甲山のイナコスズ②

  • 神戸の望月
  • 2019/07/27 (Sat) 21:36:14
稈鞘は節間より短いです。
この画像の稈は節の付近に開出する長毛が散生しています。

Re: 六甲山のイナコスズ②

  • 神戸の望月
  • 2019/07/27 (Sat) 21:41:25
タキザワザサやスズダケでも見つかった移譲・外鞘混合型がイナコスズでも、いくつか見つかったので、3つの例を紹介します。
移譲・外鞘混合型の割合は、おそらく1%もないと思います。
ほとんど全ては移譲的に分枝しています。
この画像の稈は、最下の分枝節のみ外鞘的に分枝しています。

Re: 六甲山のイナコスズ②

  • 神戸の望月
  • 2019/07/27 (Sat) 21:42:55
上の画像の外鞘的な分枝の拡大画像です。

Re: 六甲山のイナコスズ②

  • 神戸の望月
  • 2019/07/27 (Sat) 21:45:27
この稈は下から2番目の分枝節で外鞘的に分枝しています。
最下の分枝節は稈鞘が脱落していて、分枝様式が確認出来ません。

Re: 六甲山のイナコスズ②

  • 神戸の望月
  • 2019/07/27 (Sat) 21:46:37
上の画像の外鞘的分枝様式の拡大画像です。

Re: 六甲山のイナコスズ②

  • 神戸の望月
  • 2019/07/27 (Sat) 21:50:58
この画像の稈は、最下の分枝節で、外鞘的に、他は移譲的に分枝しています。
この3例の他の移譲・外鞘混合型も最下あるいはその上の分枝節が外鞘的に分枝しており、それ以外の分枝節は全て移譲的に分枝していました。

Re: 六甲山のイナコスズ②

  • 神戸の望月
  • 2019/07/27 (Sat) 21:53:49
上の画像の最下の分枝節の拡大画像です。

Re: 六甲山のイナコスズ②

  • 神戸の望月
  • 2019/07/27 (Sat) 21:58:52
この自生地では、定期的に草刈りが行われている場所にあるイナコスズの群落もあって、そうしたところでは、矮小化した集団が見られます。
もともと小型のササですが、矮小化した集団は稈高20㎝程度の大きさの株で構成されています。
この画像は、そんな集団の一例です。

Re: 六甲山のイナコスズ②

  • 神戸の望月
  • 2019/07/27 (Sat) 22:07:25
通常イナコスズは、葉裏に軟毛が密生していますが、葉裏が無毛の株だけで構成された数千の稈からなる群落が1つ見つかりました。
他の特徴は全てイナコスズであることを示していて、葉裏に軟毛が密生した株の群落からやや離れて連続的に分布しているため、イナコスズの変異の範囲と判断しました。
この画像は、葉裏無毛集団を写しています。

Re: 六甲山のイナコスズ②

  • 神戸の望月
  • 2019/07/27 (Sat) 22:09:16
通常のイナコスズの葉裏の軟毛密生状態はこんな感じです。

Re: 六甲山のイナコスズ②

  • 神戸の望月
  • 2019/07/27 (Sat) 22:10:34
葉裏無毛集団の葉の裏はこんな風です。

イナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/24 (Wed) 17:10:08
『日本のタケ亜科植物』を見ると、スズザサ属のイナコスズは、近畿地方では分布図に5ヵ所、点が打ってあります。
兵庫県では、六甲山らしき場所にのみ、分布していることになっています。
イナコスズの異名の1つに、フタタビコスズがあり、1948年小泉源一が記載しています。
おそらく六甲山のどこかで、フタタビコスズの標本を採ったと考えられます。
そんなイナコスズが六甲山で確認出来たので紹介します。

この画像のイナコスズの群落は、新葉を展開した新稈が多く、葉の表面に光沢があります。
この群落は、障害を被って多くの稈が横倒しになっています。
直立した稈からなる、恰好の良い群落はありませんでした。

Re: イナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/24 (Wed) 17:13:00
2年生以上の稈では、前年の葉は冬期に隈取りが生じています。

Re: イナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/24 (Wed) 17:14:33
この標本の稈高は50㎝ほどで、各節から分枝しています。

Re: イナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/24 (Wed) 17:16:24
分枝様式は全て移譲的でした。

Re: イナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/24 (Wed) 17:18:29
このイナコスズの標本も各節から、移譲的によく分枝しています。
稈高さはやはり、50㎝ほどです。

Re: イナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/24 (Wed) 17:21:11
葉の長さは最大で17㎝くらい、幅は3㎝ほどです。

Re: イナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/24 (Wed) 17:22:35
葉は紙質で、葉裏には軟毛が密生しています。

Re: イナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/24 (Wed) 17:24:17
稈鞘は無毛です。

Re: イナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/24 (Wed) 17:25:58
葉鞘も無毛です。

Re: イナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/24 (Wed) 17:37:49
イナコスズの特徴をまとめると、稈高50㎝、直径2㎜ほどの小型のササで、各節より移譲的によく分枝し、楕円状披針形の紙質の葉の長さは15㎝前後、幅は2㎝くらいのものが多く、葉の表面には光沢があり、裏面には軟毛が密生、稈鞘、葉鞘ともに無毛と言うことになります。
肩毛は脱落性で、この群落では確認出来ませんでした。
コスズと付いたササがいくつかありますが、コは小、スズはササ・タケの総称の古名です。

稀少なササなので、地下茎つきで持ち帰り植えました。

Re: イナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/24 (Wed) 22:14:46
この場所のイナコスズは、数百の稈が密な所と疎らな部分を交えながら群落を形成しています。
主な競合相手のネザサに押され気味の小規模群落ですが、地下茎を持つ種の強みで、簡単には消えてしまわないようです。
この自生地は明るく開けた場所の一角にあり、年を経た大きい木もほとんど周囲にありません。
しかしながら、大人2人が両手を広げても抱えきれないようなアカマツの枯れた木もあって、場所の履歴を静かに語っています。
そんなアカマツの枯れ木の洞からよく分枝したイナコスズが生えていました。

Re: イナコスズ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/24 (Wed) 22:17:17
上の画像の枯れたアカマツの反対側には、直径50㎝ほどのツガサルノコシカケがついていました。

諏訪山のスズダケ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/23 (Tue) 22:04:41
神戸市中央区にある諏訪山は、ビィーナス・ブリッジや金星台などで、市民に親しまれています。
兵庫県庁や兵庫県警などのビルの背後に位置する、ごく街に近い山です。
そんな山にスズダケがあり、驚きました。
ブナの林床に生えることが多く、日本産のササでは、チシマザサと共に最も寒さに強いと言われるスズダケです。
諏訪山の東側の斜面に生えていて、自然植生であることは間違いないと思います。
500平方メートルほどの広さに割と密に、ネザサと競合しながら数千の稈が生えています。
以前の投稿で、住吉谷の標高310m付近のスズダケは、大雨で上流から流れ着いた地下茎が繁殖したものに違いないと述べましたが、諏訪山では、そうした状況はありません。
最も近い渓谷の再度谷にはスズダケはなく、やや東に離れた生田川の上流には、自生していますが、それが諏訪山に流れ着くことは、まず考えられません。
この諏訪山のスズダケは、標高110m付近に群落を形成しています。

Re: 諏訪山のスズダケ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/23 (Tue) 22:07:31
スズダケの群落の周囲のササは、ネザサばかりですが、スズダケ群落内では、ネザサに圧倒されることもなく、形勢は五分五分です。

Re: 諏訪山のスズダケ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/23 (Tue) 22:13:48
六甲山のスズダケで、標高800mくらい以上に生えているものは、1年生の稈では葉を展開しないものもありますが、低地の1年生の稈は、ほとんど全て、稈の頂部に1~3枚の葉を広げます。
諏訪山のスズダケでも、1年生の稈のほとんど全てが葉を展開していました。

Re: 諏訪山のスズダケ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/23 (Tue) 22:16:34
街に近い山らしく、通常はスズダケと一緒には見ることのない、カラタチとの2ショットを見ることが出来ました。

チュウガタシロカネクモとロッコウミヤコ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/22 (Mon) 22:23:32
『日本のタケ亜科植物』に「肩毛に擬態するクモ」と題した、とても面白いコラムが掲載されています。(359頁~361頁)
それは、アズマザサ属のオニグジョウシノ(本州に稀に産する)とチュウガタシロカネクモ(本州では千葉県以南の太平洋側の各県に分布)の関係を、栃木県鹿沼市見野喜久澤神社で観察したコラムです。
「クモが足を伸ばしたように放射状に広がる」オニグジョウシノの肩毛の側の葉の裏側で、擬態するかのように(クモの足があたかも肩毛のように見える)待機しているチュウガタシロカネクモを観察した小林先生が、二者の出会いは偶然の所産ではなく、適応戦略である可能性があると指摘されています。

「クモが足を伸ばしたように放射状に広がる」肩毛を持つササと言えば、ミヤコザサもそうです。
ロッコウミヤコは複合体であるせいか、葉を展開したばかりの新稈の時から、肩毛が全くないものも少なくありませんが、クモが足を伸ばしたように放射状に広がる肩毛を持つ稈も多くあります。
そんなロッコウミヤコで肩毛に擬態するクモを探していると、花序に巣を張って待機しているチュウガタシロカネクモが見つかりました。
チュウガタシロカネクモは、金属光沢に輝く腹部背面を持つ、アシナガクモ科では、最も美しいと言われるクモです。(特に雌)
この画像も雌のクモですが、見事な色彩です。
また、触れたりして刺激を与えると、縦縞の筋模様が瞬間的に太くなると言う反応が見られます。
そうした体色変化は、節足動物では、ごく一部のクモ類だけで見られると言われています。
このクモの巣は、花茎の近くの葉にも及んでいたので、肩毛に擬態して葉裏に待機する姿が見られるかもとねばりましたが、それは叶いませんでした。

ジグザグ外側分枝植物であるヒトツバカエデ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/18 (Thu) 00:18:14
ヒトツバカエデもジグザグ外側分枝植物でした。
この画像は樹高4mほどの個体で、ジグザグ伸長が顕著で、外側分枝も明らかです。

Re: ジグザグ外側分枝植物であるヒトツバカエデ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/18 (Thu) 00:21:26
この画像に写っている2本のヒトツバカエデも主幹がジグザグに伸びています。

Re: ジグザグ外側分枝植物であるヒトツバカエデ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/18 (Thu) 00:23:59
このヒトツバカエデは7mほどの樹高で、緩やかですがジグザグに伸びています。

Re: ジグザグ外側分枝植物であるヒトツバカエデ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/18 (Thu) 00:25:56
このヒトツバカエデもジグザグに伸びています。
特に基部付近でそれが顕著です。

Re: ジグザグ外側分枝植物であるヒトツバカエデ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/18 (Thu) 00:27:48
このヒトツバカエデは樹高3mくらいですが、外側分枝も確認出来ます。

Re: ジグザグ外側分枝植物であるヒトツバカエデ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/18 (Thu) 00:34:54
このヒトツバカエデは、分かれた枝も顕著にジグザグに伸びています。
この場所では、もっと年数を経た太い樹幹の個体はありませんでしたが、ある程度幹や枝が太くなっても、ジグザグ伸長の痕跡は残ると考えてもよさそうです。
まだまだ観察例が少ないですが、ジグザグ伸長する場合、内側分枝が見られたのは、今の所、ムツオレダケのみです。

教えてくだっさって ありがとうございます。

  • はなばば
  • E-mail
  • 2019/07/16 (Tue) 16:21:56
望月様、お返事をありがとうございます。
マツモムシさんが休業中とのこと 質問などしてすみません。
またの復帰される日を 首を長くして待っています。

いつも六甲山のササについて観察されておられたのは
存じておりました。
いかんせんササと言えば普通のササとクマザサくらいしか
わかりませんので 内容には ついて行けてませんでした。

そんな私に貴重なお返事をいただいてありがたいです。
「カキランは春の芽だしの時期に日照量が不足していると生育  が 悪くなり、夏場日を浴びすぎると弱ります。」
とのこと危なかったです。
私は単純にススキが茂りすぎているのが悪いので
ススキが元気をなくすとカキランは復活するかも、と思っていたのです。
本当に質問してよかったです。
ススキは夏の間はカキランにとっては
日傘をさしかけてくれる乳母のような存在。
ただ、この春にはもしかしたらうるさい過保護な
存在だったのかも。
来春にもし過保護だったら刈ってやろうと思いました。

丸山湿原大きな湿原のようですね。
道場や武田尾の近くの様子、懐かしく拝見しました。
(10年前まで猪名川町にすんでいましたが
知りませんでした。)
湿原は手がかかるけれど貴重なところですね。
草刈りがされなくなると藪になってしまうし
人の出入りを自由にしていると盗掘や踏み付けで
貴重なものはいなくなるしむつかしいですね。
このカキランが咲くところも
「珍しい かわいらしい花が咲いているよ。」
と宣伝したいのですが控えています。
数人にこっそり教えるだけです。それも、口止めしたうえで。

これからもクズのツルきりに励みながら
この茶草場を見守りたく思います。
あと2週間くらいするとキキョウが咲くはずです。
楽しみです。

またわからないことがありましたら教えてください。

再び教えてください。

  • はなばば
  • E-mail
  • 2019/07/08 (Mon) 13:41:18
マツモムシさんお元気ですか。
この頃ブログの更新がないので寂しく、心配でもあります。

去年4月15日に茶草場のクズのことで質問させていただいた。
静岡の婆々です。
その節は丁寧に教えていただいて ありがとうございました。。
それ以後月一くらいの頻度で鎌を持っていってクズを切ってきました。
葉が小さくなった気がします。
頑張って続けたいと思っています。

ところが今年はカキランの勢いがなくなってきました。
群生の範囲が半分くらいに狭くなってしまいました。
ススキが茂ったからではと思います。
これは遷移によるものでしょうか、
それとも去年の草刈りが例年よりも一か月近く遅かったせいでしょうか。
カキランの勢いを取り戻す何か良い方法はありませんでしょうか。

この茶草場ではキンランが元気に株の数、花の数を増やしています。
おととし見つけたオケラも数と大きさを増やしています。
またハルリンドウは数を増やしています。
さらにコモウセンゴケが2株見られるようになりました。

身近で貴重な場所なのでできるだけ長く楽しみたいと思います。
ばぁさん一人なので大きなことはできないのですが・・・。
良いお知恵がありましたらよろしくお教えください。

Re: 再び教えてください。

  • 神戸の望月
  • 2019/07/14 (Sun) 19:19:32
はなばば様

初めまして、望月と申します。
マツモムシさんは開店休業中なので、不十分で申し訳ありませんが、私が御返事をさせて頂きます。

栽培している知人に聞いた話ですが、カキランは春の芽だしの時期に日照量が不足していると生育が悪くなり、夏場日を浴びすぎると弱ります。
つまり、芽出しの頃は周囲に背の高い草などがなく、夏には適度に茂った他の植物が、乾燥を防ぐ意味でも、特に根元付近に陰を作ってくれている状況をカキランは好むことになります。
具体的にどうすれば良いのか私には分かりませんが、人の手が入らなくなれば、消えて行きやすい種の1つですね。
種子ではなかなか殖えないのも難点です。
きれいな花を見たければ、草を刈ってねと人に存続を依頼しているのかも知れません。

画像は兵庫県では、最大規模の湿原で、天然記念物にも指定されている丸山湿原の案内板です。
丸山湿原は、湧き水により、貧栄養な環境が保たれています。
草刈りと、種子で殖えるイヌツゲやマツなどの伐採が定期的に行われていて、湿性植物は元気に生育しています。

本年枝が異常に多いタキザワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/07 (Sun) 08:29:39
先月、六甲山のタキザワザサの群落を観察していると、本年枝が異常に多い株がありました。
稈高は170㎝ほどです。
縮節して、短い間隔で同時枝が1節より1本、都合20本以上展開しています。
分枝様式はほとんどの分枝節で移譲的ですが、外鞘的分枝も2つの節で確認しました。

Re: 本年枝が異常に多いタキザワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/07 (Sun) 08:38:48
これは本年枝の稈鞘の画像です。
開出する長毛が密生しています。
『日本のタケ亜科植物』(323頁)によると、「タキザワザサの稈鞘は逆向短毛がビロード状に密生するが、長毛はほとんど脱落し、わずかに黒色の毛が残り、やがて寝て斜上する長毛が散生するのみとなる。」と言うことです。
六甲山のタキザワザサでも、通常はその記述のような状態が確認出来ます。

Re: 本年枝が異常に多いタキザワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/07 (Sun) 08:40:40
この画像は六甲山のタキザワザサの新稈の稈鞘の典型的な毛の様子です。

Re: 本年枝が異常に多いタキザワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/07/07 (Sun) 08:44:11
タキザワザサの葉鞘は通常無毛です。
ところが、同時枝が異常に多い株では、本年枝の葉鞘にも開出する長毛が密生していました。
この画像は、そのさまを写しています。

ムシトリナデシコに似た花?

  • 群馬発
  • 2019/07/04 (Thu) 19:35:40
植木鉢の隅に生えていました。
イモカタバミかと思ったのですが、よく見ると葉が違うようです。
それではムシトリナデシコかなと思ったのですが、ひとつの茎に対して花がふたつだけ咲いていました。
名前を教えていただきたいと存じます。
宜しくお願いします。

Re: ムシトリナデシコに似た花?

  • 神戸の望月
  • 2019/07/05 (Fri) 22:19:47
群馬発様

不鮮明な画像で、植物の特徴に関する記述もほとんどないのに名前を知りたいとは、大胆な質問ですね。
ムシトリナデシコかなと思われたのなら、その特徴を検索するなどして、調べられましたか。
ムシトリナデシコには、分かりやすい特徴が多くあり、色々なサイトに丁寧な説明があります。

六甲山のミヤコザサーチマキザサ複合体の内鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/28 (Fri) 22:36:46
ミヤコザサーチマキザサ複合体では、外鞘的分枝が一般的で、ごく一部に内鞘的分枝様式が現れます。(『日本のタケ亜科植物』86頁)
因みに純粋なミヤコザサとチマキザサはともに、内鞘的に分枝します。
私が今まで観察した六甲山のミヤコザサーチマキザサ複合体でも、分枝節の99%以上で外鞘的分枝様式が見られ、内鞘的な分枝は極めて稀でした。
そのことだけでも、純粋なミヤコザサでない可能性を強く示唆しています。
今まで観察した、ロッコウミヤコの内鞘的な分枝の例をいくつか紹介します。
この画像では、一見移譲的に分枝しているようにも見えます。
しかし、稈鞘の辺縁側(稈鞘の両端が重なる側、腋芽を生じた側の反対側)が閉じたままなので、内鞘的と判断出来ます。
移譲的分枝では、稈鞘の辺縁側が破れ、母稈の節の基部が露出するまで、分かれた枝に稈鞘が引っ張られます。

Re: 六甲山のミヤコザサーチマキザサ複合体の内鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/28 (Fri) 22:42:47
この画像では、稈鞘の上部も基部も破損しています。
ロッコウミヤコは、稈鞘が薄くもろいため、分枝と共に破損しやすく、分枝様式を判断しずらいことが多いです。
この稈鞘は基部も破損し母稈の節の一部が露出していますが、状況から見て、移譲的に分枝したと言うよりは、内鞘的に分枝しながら稈鞘が破損したと考えるのが妥当です。

Re: 六甲山のミヤコザサーチマキザサ複合体の内鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/28 (Fri) 22:45:21
この画像も稈鞘基部の辺縁側が破れ、露出していますが、やはり内鞘的に分枝しながら破損したと考えるのが妥当です。

Re: 六甲山のミヤコザサーチマキザサ複合体の内鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/28 (Fri) 22:47:26
これは辺縁側が破損していないので、明瞭に内鞘的分枝様式です。

Re: 六甲山のミヤコザサーチマキザサ複合体の内鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/28 (Fri) 22:50:23
これは稈鞘が破損していて、辺縁側も開いていますが、やはり内鞘的に分枝しながら、あるいはしてから破損したと考えるのが妥当です。

Re: 六甲山のミヤコザサーチマキザサ複合体の内鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/28 (Fri) 22:51:47
これは明確な内鞘的分枝様式です。

Re: 六甲山のミヤコザサーチマキザサ複合体の内鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/28 (Fri) 22:53:07
これも明らかに内鞘的に分枝しています。

Re: 六甲山のミヤコザサーチマキザサ複合体の内鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/28 (Fri) 22:54:47
これもまた明確な内鞘的分枝様式です。

Re: 六甲山のミヤコザサーチマキザサ複合体の内鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/28 (Fri) 22:56:17
稈鞘基部に破損はありますが、やはり内鞘的分枝様式です。

移譲・外鞘混合型のタキザワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/06/26 (Wed) 17:30:51
六甲山のタキザワザサを観察していると、移譲・外鞘混合型の株が17見つかりました。
去年観察した株では、小林先生に見て頂いた標本も含め、外鞘的な分枝は確認していませんでした。
タキザワザサはスズザサ属の種で、通常は移譲的に分枝します。
移譲・外鞘混合型のタキザワザサを5例紹介します。

この画像の標本は、最下の分枝節で外鞘的に分枝しています。
それ以外の分枝節では、移譲的に分枝しています。

Re: 移譲・外鞘混合型のタキザワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/06/26 (Wed) 17:35:10
上の画像の説明で、最下の分枝節でのみ外鞘的に分枝していると書きましたが、画像が間違っていました。
上の画像は、最下と上部の分枝節で外鞘的分枝が見られる例でした。
上の画像の最下の分枝節の拡大画像です。

Re: 移譲・外鞘混合型のタキザワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/06/26 (Wed) 17:36:21
上部の外鞘的分枝の拡大画像です。

Re: 移譲・外鞘混合型のタキザワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/06/26 (Wed) 17:38:02
これが最下の分枝節で外鞘的に分枝している標本です。

Re: 移譲・外鞘混合型のタキザワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/06/26 (Wed) 17:39:19
上の画像の最下の分枝節の拡大画像です。

Re: 移譲・外鞘混合型のタキザワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/06/26 (Wed) 17:40:55
この標本では、最下とその上の分枝節で、外鞘的に分枝しています。

Re: 移譲・外鞘混合型のタキザワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/06/26 (Wed) 17:44:01
上の画像の、最下の分枝節の外鞘的分枝の拡大画像です。

Re: 移譲・外鞘混合型のタキザワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/06/26 (Wed) 17:45:06
そして下から2番目の分枝節の拡大画像です。

Re: 移譲・外鞘混合型のタキザワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/06/26 (Wed) 17:47:47
この標本は、おそらく2年生か3年生の稈ですが、最下と最上の分枝節では外鞘的に、もう一つの中部の分枝節では移譲的に分枝しています。

Re: 移譲・外鞘混合型のタキザワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/06/26 (Wed) 17:49:06
上の画像の最下の分枝節での、外鞘的分枝の拡大画像です。

Re: 移譲・外鞘混合型のタキザワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/06/26 (Wed) 17:50:45
最上の分枝節の拡大画像です。

Re: 移譲・外鞘混合型のタキザワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/06/26 (Wed) 17:52:41
この標本は、上部の分枝節1ヵ所で、外鞘的に分枝しています。
それ以外の分枝節では、全て移譲的に分枝しています。

Re: 移譲・外鞘混合型のタキザワザサ

  • 神戸の望月
  • 2019/06/26 (Wed) 17:54:18
上の画像の外鞘的分枝の拡大画像です。

2019年の六甲山のミヤコザサーチマキザサ複合体の部分開花④

  • 神戸の望月
  • 2019/06/25 (Tue) 23:01:02
先日、ロッコウミヤコの部分開花で、14本の花茎があがって、1小花が結実した例を紹介しました。
更に小規模で結実した例を紹介します。
場所は、裏六甲の標高770m付近で、一面をロッコウミヤコが覆っています。
密な所や疎らな所が入り交じって、百メートル四方以上の広さの群落を形成しています。
ここでは、ロッコウミヤコの分枝稈の出現率が非常に高く、それも1つの稈が複数の枝を出していることがほとんどです。
そんな場所で、3本の花茎があがっていました。
くまなく全群落を見てはいませんが、花茎3本の周囲20m四方ほどの広さでは、他の花茎を確認出来ませんでした。
この画像に、その3本の花茎が写っています。

Re: 2019年の六甲山のミヤコザサーチマキザサ複合体の部分開花④

  • 神戸の望月
  • 2019/06/25 (Tue) 23:02:23
花茎①の花序の拡大画像です。

Re: 2019年の六甲山のミヤコザサーチマキザサ複合体の部分開花④

  • 神戸の望月
  • 2019/06/25 (Tue) 23:04:17
花茎②の花序の拡大画像です。

Re: 2019年の六甲山のミヤコザサーチマキザサ複合体の部分開花④

  • 神戸の望月
  • 2019/06/25 (Tue) 23:05:50
花茎③の花序の拡大画像です。
第3小花が結実しています。

Re: 2019年の六甲山のミヤコザサーチマキザサ複合体の部分開花④

  • 神戸の望月
  • 2019/06/25 (Tue) 23:10:26
この場所で、稈鞘に開出長毛が散生する稈が2本ありました。
稈鞘は無毛、もしくは微毛が散生するロッコウミヤコしか今までは見たことがありませんでした。

Re: 2019年の六甲山のミヤコザサーチマキザサ複合体の部分開花④

  • 神戸の望月
  • 2019/06/25 (Tue) 23:12:18
上の画像の稈の葉鞘には、微毛が密生していました。

Re: 2019年の六甲山のミヤコザサーチマキザサ複合体の部分開花④

  • 神戸の望月
  • 2019/06/25 (Tue) 23:15:18
そして、稈鞘がかぶっていない稈の表面には、短毛が密生していました。
『日本のタケ亜科植物』によると、純粋なミヤコザサもチマキザサも、稈鞘、葉鞘ともに無毛です。

稈がジグザグに伸びるクロチク

  • 神戸の望月
  • 2019/06/24 (Mon) 21:23:06
先日の投稿で、稈が節の所で通直にならず、ジグザグに伸びる竹として、ホテイチク、ダイフクチク、ムツオレダケを紹介しました。
クロチクの初めて見たクローンで、ジグザグ稈を確認したので紹介します。
それは、神戸市内の野生状態で放置された群落で、数百の稈で構成されています。
クロチクについては、1節から3本の枝を出す種として先日取り上げましたが、その場所のクローンでは、ジグザグ稈は全くありませんでした。
この場所のクローンは、ほとんど全ての稈がジグザグ稈で、3本の枝を出す節も多くみられました。
この画像にも3本の枝を出す節が写っています。

Re: 稈がジグザグに伸びるクロチク

  • 神戸の望月
  • 2019/06/24 (Mon) 21:24:47
この画像では、4本の枝を出す節が写っています。

Re: 稈がジグザグに伸びるクロチク

  • 神戸の望月
  • 2019/06/24 (Mon) 21:26:26
この画像にも4本の枝を出した節が写っています。

Re: 稈がジグザグに伸びるクロチク

  • 神戸の望月
  • 2019/06/24 (Mon) 21:28:15
この画像では、3本の枝を出した節が写っています。

Re: 稈がジグザグに伸びるクロチク

  • 神戸の望月
  • 2019/06/24 (Mon) 21:34:16
この画像には、3本の枝を出した節が2つ写っています。
以上5本のどの稈も、1年生で、節の外側(突出した側)から枝を出す、「ジグザグ外側分枝」型です。
2年生以上の稈については、電池切れで撮影出来ていないので、後日にまた訪れた時に撮影してから報告します。

Re: 稈がジグザグに伸びるクロチク

  • 神戸の望月
  • 2019/06/24 (Mon) 21:39:29
クロチクのタケノコは、葉片が湾曲して、炎のような形をしています。
この画像のクロチクのタケノコは、葉片の先端の水孔から溢れた水分が、葉片に水滴として付いている様子(溢泌現象)も写っています。
肩毛は放射状に開出しています。

Re: 稈がジグザグに伸びるクロチク

  • 神戸の望月
  • 2019/06/24 (Mon) 21:44:42
このクローンでは、展開した枝で肩毛は全く見られないことの方が多かったです。
この画像のような肩毛は稀でした。
先日紹介したクロチクのクローンでも枝では、肩毛がほとんど見られませんでした。

Re: 稈がジグザグに伸びるクロチク

  • 神戸の望月
  • 2019/06/24 (Mon) 21:49:45
たった2つのクローンの比較ですが、クロチクでは稈が通直なタイプとジグザグ型の両方があることになります。

最後にクロチクのタケノコの溢泌現象の拡大画像です。
葉片の先端の水孔から溢れしたたる水滴の美しいこと。

スズダケの外鞘的分枝②

  • 神戸の望月
  • 2019/06/23 (Sun) 11:45:59
昨日タキザワザサの自生地を訪れました。
タキザワザサでも1つの株に、外鞘的分枝様式と移譲的分枝様式が混在しているものがそれなりに見つかり困惑しています。
混生しているスズダケも観察したところ、移譲・外鞘混合型がいくつか見つかりました。
まず混合型のスズダケをいくつか紹介します。
この画像のスズダケには、2つの外鞘的分枝様式が見られます。
それ以外は全て、移譲的分枝様式です。

Re: スズダケの外鞘的分枝②

  • 神戸の望月
  • 2019/06/23 (Sun) 11:47:56
上の画像で図示した外鞘的分枝①の拡大画像です。

Re: スズダケの外鞘的分枝②

  • 神戸の望月
  • 2019/06/23 (Sun) 11:52:06
上の画像は、外鞘的外鞘的分枝②の拡大画像でした。
これが外鞘的分枝①の拡大画像です。

Re: スズダケの外鞘的分枝②

  • 神戸の望月
  • 2019/06/23 (Sun) 11:54:19
この画像のスズダケは、2年生か3年生です。
外鞘的分枝様式が2つ見られます。
他は移譲的分枝様式です。

Re: スズダケの外鞘的分枝②

  • 神戸の望月
  • 2019/06/23 (Sun) 11:55:42
上の画像の外鞘的分枝①の拡大画像です。

Re: スズダケの外鞘的分枝②

  • 神戸の望月
  • 2019/06/23 (Sun) 11:57:49
外鞘的分枝②の拡大画像です。

Re: スズダケの外鞘的分枝②

  • 神戸の望月
  • 2019/06/23 (Sun) 11:59:42
このスズダケでも、2ヵ所で外鞘的分枝が見られ、それ以外は移譲的に分枝しています。

Re: スズダケの外鞘的分枝②

  • 神戸の望月
  • 2019/06/23 (Sun) 12:03:03
上の画像の外鞘的分枝①を拡大しました。

Re: スズダケの外鞘的分枝②

  • 神戸の望月
  • 2019/06/23 (Sun) 12:04:14
外鞘的②を拡大した画像です。

Re: スズダケの外鞘的分枝②

  • 神戸の望月
  • 2019/06/23 (Sun) 12:33:28
この場所では、草刈りなどの人為的な攪乱はありません。
2mほどの背丈のスズダケが万単位であり、開花した部分と未開花な部分が連続的に存在しています。
先日紹介した矮小化した株の群落の混合型と、この場所の混合型に共通した特徴は、最下の枝を出した節で、外鞘的な分枝が見られることが多いことです。

Re: スズダケの外鞘的分枝②

  • 神戸の望月
  • 2019/06/23 (Sun) 21:40:57
ここからは、昨日訪れた生田川の1つの源流で観察した、スズダケの外鞘的分枝様式の報告です。
そこでは、万単位の稈があり、2016年から1度も開花していません。
人為的な攪乱はない所です。
枝を出した最下の節での外鞘的分枝は、かなりの数の稈で確認出来ました。
それをいくつか紹介します。

Re: スズダケの外鞘的分枝②

  • 神戸の望月
  • 2019/06/23 (Sun) 21:49:01
スズダケの稈の地上部の基部3つくらいの節には腋芽が形成されないことが多いです。
多雪地帯に対応した性質と考えられています。
節の隆起がなく、長い稈鞘に覆われていると分かりにくいですが、枝を出す最下の節は、地上部で3番目か4番目くらいのことが多いです。

Re: スズダケの外鞘的分枝②

  • 神戸の望月
  • 2019/06/23 (Sun) 21:51:06
この場所では、ロッコウミヤコと混生し、勢力は同等です。

Re: スズダケの外鞘的分枝②

  • 神戸の望月
  • 2019/06/23 (Sun) 21:57:17
分かれた枝に移譲する、分かれた枝が奪う、表現は違っても同じ稈鞘の挙動を示すことになります。

Re: スズダケの外鞘的分枝②

  • 神戸の望月
  • 2019/06/23 (Sun) 22:01:45
スズダケの外鞘的な分枝では、突き破られた稈鞘が点で破られず、線状に亀裂が入っていることが多いです。
おそらく稈鞘が厚く強いため、腋芽の一突きくらいでは、破られないのでしょう。

Re: スズダケの外鞘的分枝②

  • 神戸の望月
  • 2019/06/23 (Sun) 22:04:11
ここからは、稈中部での外鞘的分枝を紹介します。
中部での外鞘的分枝は、探すのにかなり根気がいるほど少ないです。

Re: スズダケの外鞘的分枝②

  • 神戸の望月
  • 2019/06/23 (Sun) 22:05:15
上の画像の拡大画像です。

Re: スズダケの外鞘的分枝②

  • 神戸の望月
  • 2019/06/23 (Sun) 22:09:04
これも中部での外鞘的な分枝です。
画像上側の外鞘的分枝は、稈鞘が破損していて分かりにくいですが、やはり突き破って腋芽が伸びた痕跡があります。
この稈の最下の枝が出た節では、移譲的に分枝していました。

Re: スズダケの外鞘的分枝②

  • 神戸の望月
  • 2019/06/23 (Sun) 22:10:31
これは上の画像の拡大画像です。

Re: スズダケの外鞘的分枝②

  • 神戸の望月
  • 2019/06/23 (Sun) 22:12:01
もう一つ、中部での外鞘的な分枝です。

Re: スズダケの外鞘的分枝②

  • 神戸の望月
  • 2019/06/23 (Sun) 22:13:51
最後に稈の上部での外鞘的な分枝です。

Re: スズダケの外鞘的分枝②

  • 神戸の望月
  • 2019/06/23 (Sun) 22:16:12
拡大画像です。

ロッコウミヤコの一斉開花

  • 神戸の望月
  • 2019/06/21 (Fri) 21:48:41
昭和60年に出版された『室井ひろしの自然百科』(地人書館)に、六甲山のミヤコザサの一斉開花の様子についての記述があり、貴重な記録になっているので、そのくだりを紹介させて頂きます。


アセビの開花期になると、私の頭の中には一つの思い出がうかんでくる。それは、昭和6年6月、六甲のミヤコザサが開花結実したときのことである。
このササは、六甲では海抜700mから上に生えている。当時は別荘も少なく、山頂はミヤコザサで被われていた。その小さいものから大きいものまで、すべて開花結実し、のちにほとんど枯死したのである。当時、牧野富太郎博士が調査に訪れ、その報告が7月の各紙に載ったくらいである。
市民はそのササの実をとって、強壮剤ということで、麦茶代わりに飲んだものである。しかし六甲は広く、市民のとった実はごく一部で、その大半は地上に落下した。その実をめがけて、市中のネズミが山頂へ山頂へと終結し、次々に子を産み、数はふえる一方であった。
ちょうど大群が集まったところで冬がやってきて、ササの実をほとんど食いつくしたネズミは狂乱状態となり、木々の樹皮を食べて生きのびようとした。
このとき食べ残した木が、ともに有毒植物であるアセビとウルシであった。六甲は花崗岩の風化した酸性土壌である。アセビはこのような環境を好むので、ますます勢力を得て広がり、今日の大繁茂となったのである。
このミヤコザサの実は幸か不幸か、明春の発芽まで休眠期を要するので、多くのネズミは冬中も食べたが、あまりにもたくさんのネズミが集まったので食料はつきてしまい、ほとんどが餓死したり、イノシシなどに食われたりして、ネズミの被害は一件落着したのである。
その悲惨な状況をみた人々は、いまは70才以上で、記憶に残っている方も少ないだろう。このササの開花枯死は60年の周期でやってくる。もう目前に近づいてきたのである。
(読みやすさを考慮して、原文以上に改行しています。)


昭和6年は、今から90年ほど前です。
その頃は標高700m以上にしか分布していなかったミヤコザサも、今では表六甲の200数十mの地点にも出現しています。
その場所は大雨による水害を何度も引き起こしている川の流れの近くです。
上流から連続的に分布しているのでもなく、土石流と共に運ばれた地下茎が根付いて群落が形成されたのだと思います。
今なら多数の穎果が稔っても、ササの実を食べる神戸市民はほとんどいないでしょう。
わずか90年の間に、自然に産したものを口にする食文化が大きく衰退しました。

画像は、葯にもアントシアニンの紫色が出たロッコウミヤコの花です。
先日撮影しました。
この手の花も時々見られます。

 

スズダケの外鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/20 (Thu) 17:39:32
この画像は、裏六甲の渓流沿いのスズダケの群落を写しています。
近年定期的に刈られるようになり、高さが50㎝以下の矮小化した稈が数百ある、小規模群落です。

Re: スズダケの外鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/20 (Thu) 17:44:02
スズダケのタケノコは1年目には、葉を展開しないことも多いですが、この群落では、背の低い状態で、1、2枚の葉を展開しているものがほとんどです。
淡緑色で皮質の新葉が鮮やかです。

Re: スズダケの外鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/20 (Thu) 18:07:06
この群落のスズダケの特徴は、枝を出した最下の節で、外鞘的分枝様式が見られる稈がいくつもあることです。
スズダケは通常、枝を出す全ての節で、移譲的に分枝します。
外鞘的分枝、移譲的分枝と言う考え方は、小林幹夫先生が2016年に発表したもので、『日本のタケ亜科植物』や、ウエブサイトでも確認出来ます。
私も過去の投稿で、何度か触れたので、くだくだしくなりますが、簡単におさらいをすると、枝が分かれる時に、元の母稈や枝の稈鞘を突き破って枝が出るのが外鞘的分枝様式、分枝する時に、元の母稈や枝の稈鞘を奪う(移譲する)かのように稈鞘が動くのが移譲的分枝様式です。
分枝様式と言う用語ですが、分枝に伴う稈鞘の挙動を分類した考え方です。
つまり、稈鞘がよく残っている分枝した節で確認する必要があります。
小林先生のこの外鞘的、移譲的、それに内鞘的分枝様式と言う考え方は、分類形質として非常に重要なもので、スズダケで外鞘的分類様式が確認されたと言うことは、注目すべきことです。
以下にいくつかの標本に採った稈で、外鞘的分枝様式を見て行きます。

この画像のスズダケの稈は、最下の枝を出した節で、外鞘的分枝様式が見られます。

Re: スズダケの外鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/20 (Thu) 18:09:34
上の画像の枝を出した最下の節の辺りを拡大したのがこの画像です。

Re: スズダケの外鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/20 (Thu) 18:14:59
上の画像のすぐ上部を写したのがこの画像です。
母稈の稈鞘が下から2番目の枝に移譲されたかのような、移譲的分枝様式が見られます。
上の画像の示す、最下の枝が母稈の稈鞘を突き破って、外鞘的に分枝しているのとは異なっています。

Re: スズダケの外鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/20 (Thu) 18:17:15
この画像は、上の画像のすぐ上部を写しています。
移譲的分枝様式が見られます。

Re: スズダケの外鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/20 (Thu) 18:22:52
上の画像で枝④は、一見外鞘的に分枝しているようにみえますが、枝③の稈鞘の基部が重なっているだけで、母稈から移譲的に分枝しているのは、枝④の基部の下側の母稈の稈鞘がないことで分かります。

Re: スズダケの外鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/20 (Thu) 18:25:08
この画像は、最下の分枝した節が外鞘的である稈の2例目です。

Re: スズダケの外鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/20 (Thu) 18:27:16
分枝した最下の節の拡大画像です。
外鞘的に分枝しています。

Re: スズダケの外鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/20 (Thu) 18:30:50
上の画像のすぐ上部を写したのがこの画像です。
移譲的に分枝しています。
この節より上部の枝を出した節全てで、移譲的分枝様式が見られます。

Re: スズダケの外鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/20 (Thu) 18:34:22
枝を出した最下の節だけで外鞘的分枝様式が見られ、その他全ての分枝した節では移譲的分枝様式が見られるスズダケの3例目です。

Re: スズダケの外鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/20 (Thu) 19:22:56
上の画像の、最下の枝を出した節の辺りを拡大したのがこの画像です。
外鞘的に分枝しています。

Re: スズダケの外鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/20 (Thu) 19:25:43
上の画像のすぐ上部を写したのがこの画像です。
最下の枝を出した節以外では、全て移譲的に分枝しています。

Re: スズダケの外鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/20 (Thu) 19:33:05
ここまで、3例、最下の枝を出した節のみ外鞘的に分枝し、それ以外の節では移譲的に分枝するスズダケを見ました。
それでは、最下の分枝する節以外の節で、外鞘的に分枝するスズダケをこれから2例見て行きます。
この画像は標本に採って持ち帰ったスズダケです。
採集場所は、これまでの3例と同じ所です。
上部の節2ヵ所で、外鞘的に分枝しています。

Re: スズダケの外鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/20 (Thu) 19:37:06
上の画像の稈の上部をやや拡大したのがこの画像です。
赤鉛筆でさし示した節も、外鞘的に分枝しています。

Re: スズダケの外鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/20 (Thu) 19:39:16
外鞘的に分枝している辺りを拡大したのがこの画像です。
②から①と③が外鞘的に分枝しています。

Re: スズダケの外鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/20 (Thu) 19:49:57
それではもう1例です。
この画像は、今まで紹介したスズダケの産地とは、異なる場所で写しました。
高さ2mほどの稈が多くある、数千の稈からなる群落です。
画像中央手前の稈の3つの節で外鞘的に分枝しています。
この画像では、そのうちの2つの節の外鞘的分枝しか分かりません。

Re: スズダケの外鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/20 (Thu) 19:54:10
上の画像の外鞘的分枝のある稈を標本に採って、写したのがこの画像です。
前年枝は全て折れ、本年枝が3本伸びています。
上の画像で示した外鞘的な分枝が2つの節で確認出来ます。

Re: スズダケの外鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/20 (Thu) 19:56:35
上の画像の「外鞘的①」を拡大したのがこの画像です。

Re: スズダケの外鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/20 (Thu) 19:57:59
「外鞘的②」を拡大したのがこの画像です。

Re: スズダケの外鞘的分枝

  • 神戸の望月
  • 2019/06/20 (Thu) 20:12:09
そして「外鞘的②」の上にある紫色の四角の枠の辺りを拡大したのが、この画像です。
外鞘的分枝と移譲的分枝の両方が見られます。

『日本のタケ亜科植物』では、アズマザサ属の種が移譲・外鞘混合型になっています。
スズダケは移譲型です。
私も今まで数多くのスズダケを観察しましたが、外鞘的に分枝する姿は全くと言って良いほど見たことがありません。
今まで注目したこともなかったです。
この投稿で紹介したような例外的な挙動は、きっと何かを語っているに違いありません。
今の私の耳では、その声が聞き取れませんが。
以前光田先生に科学の基本は例外を探すことだと教わったことを思い出しました。