2018年の六甲山のミヤコザサらしきものの部分開花

  • 神戸の望月
  • 2018/06/19 (Tue) 21:00:20
去年は六甲山の8ヵ所で、ミヤコザサらしきものの部分開花を見ました。
今年はそのうちの4ヵ所で連続して部分開花があり、新たに異なる1ヵ所でも部分開花を見ました。

この画像は連続して部分開花のあった場所を写しており、赤い矢印が花茎を示しています。
去年は12本の花茎を上げていましたが、今年はこれだけでした。
数千の稈からなる群落の部分開花です。

Re: 2018年の六甲山のミヤコザサらしきものの部分開花

  • 神戸の望月
  • 2018/06/19 (Tue) 21:04:35
この画像は、今年新たに出会った部分開花を写しています。
赤い矢印がこの群落の中であがっていた全ての花茎を示しています。
やはり数千の稈からなる群落の部分開花です。

Re: 2018年の六甲山のミヤコザサらしきものの部分開花

  • 神戸の望月
  • 2018/06/19 (Tue) 21:09:44
この画像は、連続開花のあった場所で、枯れ残っていた前年の花茎です。
今年上がった花茎とこの枯れ残った花茎が地下茎でつながった標本を採ることが出来ました。
ごく細いミヤコザサらしきものの花茎は、前年のものが残っていないことの方が多いです。

Re: 2018年の六甲山のミヤコザサらしきものの部分開花

  • 神戸の望月
  • 2018/06/19 (Tue) 21:14:46
去年と今年に見た六甲山のミヤコザサらしきものは、小花(包穎、内穎、外穎)の色が淡緑色のものがほとんどです。
この画像が典型例です。

Re: 2018年の六甲山のミヤコザサらしきものの部分開花

  • 神戸の望月
  • 2018/06/19 (Tue) 21:18:20
中には例外的に小花(包穎、内穎、外穎)が暗紫色のものもあります。
この画像はそんな例です。

Re: 2018年の六甲山のミヤコザサらしきものの部分開花

  • 神戸の望月
  • 2018/06/19 (Tue) 21:20:33
葯の色は濃淡があっても、例外なく紫色です。

Re: 2018年の六甲山のミヤコザサらしきものの部分開花

  • 神戸の望月
  • 2018/06/20 (Wed) 16:05:32
上で言及した、前年の花茎と今年の花茎が繋がっている標本がこの画像です。
赤い矢印が前年の花茎、黒い矢印が今年のものを示しています。
同一個体内の連続開花のあかしです。

Re: 2018年の六甲山のミヤコザサらしきものの部分開花

  • 神戸の望月
  • 2018/06/20 (Wed) 16:07:38
通常、ミヤコザサは稈の基部付近から花茎をあげます。
この画像はその典型例です。

Re: 2018年の六甲山のミヤコザサらしきものの部分開花

  • 神戸の望月
  • 2018/06/20 (Wed) 16:10:59
去年の投稿でも紹介したものと同様ですが、このラメットは稈基部以外の中部付近からも花茎をあげています。
異常な挙動です。

Re: 2018年の六甲山のミヤコザサらしきものの部分開花

  • 神戸の望月
  • 2018/06/20 (Wed) 16:13:58
これも去年もいくつか見ましたが、今年もありました。
花茎が葉を伴う例です。
稈の先端部に短い花序が出たと言った方が適切かも知れません。

Re: 2018年の六甲山のミヤコザサらしきものの部分開花

  • 神戸の望月
  • 2018/06/20 (Wed) 16:18:40
この標本には、地下茎から直接立ち上がっている花茎があります。
赤い矢印が示す花茎は明らかに今年のものです。
黒い矢印が示す花茎は地下茎から直接立ち上がっていて、花序が脱落していますが、状態から判断して、やはり今年のものだと考えられます。

Re: 2018年の六甲山のミヤコザサらしきものの部分開花

  • 神戸の望月
  • 2018/06/21 (Thu) 23:09:30
この画像の赤い矢印は、ミヤコザサらしきものの花茎を示しています。
山道の草刈りされた場所で、花茎が立ち上がっています。
この山道のここから20mほど離れた、やはり刈られた所でも花茎が6本あがっています。
どちらも道を離れた所では花茎はあがっていません。
稈が刈られる全ての場所で、花茎が出てくる訳ではありませんが、その周囲で他に部分開花がないことを考えると、この部分開花には、草刈りに対する反応と言う側面もあるのでしょう。

Re: 2018年の六甲山のミヤコザサらしきものの部分開花

  • 神戸の望月
  • 2018/06/23 (Sat) 15:49:01
この画像は去年の7月に撮ったものです。
奥の方に写っている白っぽい肌の倒木はソヨゴで、根の一部は地中にあり緑の葉がたくさんついて枯死はしておらず、倒れてからそれほど長い年月を経ていないようでした。
赤い矢印が示しているのはミヤコザサらしきものの花茎です。
ソヨゴになぎ倒されたミヤコザサらしきもののある辺りで、12本の花茎があがっていました。
倒木による圧迫と言う外的なストレスが、草刈り同様花芽形成の引き金になった可能性は十分にあると思います。

Re: 2018年の六甲山のミヤコザサらしきものの部分開花

  • 神戸の望月
  • 2018/06/23 (Sat) 19:06:59
ササ類が同一場所、あるいはその付近で連続して数年部分開花した記録はいくつかあります。
スズササ属(スズダケ属とササ属のいずれかの種を両親種とすろ推定属間雑種分類群)のツクバナンブスズが、栃木県奥日光において1982年5月16日に開花を確認されて以来、現在に至るまで37年連続して部分開花しているのが、私の知る最長記録です。
この記録は、実際にその様子を観察されている、ササ研究の第一人者である小林幹夫先生に、私信で教えて頂きました。
六甲山のミヤコザサらしきものの部分開花がいつまで続くのか楽しみです。

先日六甲山でスズダケを観察している時に未知のササに出会いました。
それがツクバナンブスズの可能性ありと言うことで、標本を小林幹夫先生に送って見て頂くことになっています。
ツクバナンブスズは兵庫県を含む西南日本には知られておらず、確定すれば、六甲山が分布の西限になります。
結果が出ればまた報告させて頂きます。

画像はそのツクバナンブスズ?とスズダケの2ショットです。
黒い矢印の示す葉はスズダケ、赤い矢印の示す葉はツクバナンブスズ?です。
この画像では違いはほとんど分かりません。
ツクバナンブスズ?は、大きいもので背丈が150㎝ほど、葉の長さは25㎝、幅は5㎝位、節の膨らみはほとんど目立たず、移譲的に1節から1本枝を出します。
ここまでの特徴はスズダケと大差ありませんが、葉裏に軟毛を密生し、葉がスズダケよりは薄く、稈鞘が節間より短い点などから、明らかにスズダケとは異なっています。

Re: 2018年の六甲山のミヤコザサらしきものの部分開花

  • マツモムシ
  • Site
  • 2018/07/03 (Tue) 00:58:30
神戸の望月さん、こんばんは

六甲のミヤコザサについてのご丁寧な観察記録をご投稿くださり、ありがとうございます。
花茎を上げたササ類については、標本は採ったりしますが、細部までの観察はまだ全くできていません。

勤務帰りにRDB種の現地確認した上、夕食や風呂の準備で1日が慌しく過ぎ、気付けば日付が翌日になっていたりします。
一応、記事管理はしておりますので、望月さんの発表の場としてこれからもお使いください。ただし、古い記事は自動的に削除されてしまいますので、お持ちのPCで原稿をバックアップしておいてください。
よろしくお願いいたします。
(投稿前に、内容をプレビューして確認できます)